主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、香織は不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながらついに第一子が誕生。
九条一郎さん：長男で次郎の兄 35歳
九条 次郎：次男で香織の夫 33歳
九条京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん：
長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
妊娠が発覚したが、その時長男の一郎は…
克子：夫の母、つまり香織にとっては義母。曲者。
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私たちはとうとう、
一郎と美和の密会場所に
やってきた。
窓際の席に座る二人の
より近くに行きたい。
半個室とあったが、
ただ、すだれのようなもので
仕切ってあるだけだったのも
程よく顔が見えず
程よく会話を聞くためには
最適だと思った。
横並びの席。
もし顔を見られても
違和感がないように
一郎の目線の先には私。
美和の目線の先には香織。
暗黙の了解で私たちは
ハラハラしながら
席に座る。
……。
おぉ、
バカップルは、
周りなんて見てないのか。
全然
バレなかった！
私
「じゃあ、西村さん
何食べる？」
私はとっさに香織を
全く知らない人の
苗字で呼んでいた。
まぁこれは、なんとなく。
聞こえてないかもしれないけど
まさか隣に、
義理の妹がいるなんて
夢にも思わないだろうけど
知っている名前には
多少敏感になるだろう
そこから私たちは
メニューを広げつつ
話すふりを続けながら
耳はダンボに👂
美和
「わた……ことが…
でも……で…」
……美和よ。
ボソボソ喋りすぎて
何言ってるか
ちっとも
わかんねーな！！
まぁ、私たちに
話してるわけじゃ
ないけれども！
香織
「なんか俯いて
話してるよ。」
香織の視界には
ムーディなすだれ越しの
美和が見えている。
私
「すだれのせいもあるけど
さすがに
表情までは見れないね。」
私たちも
ボソボソ話す。
ひとまず私たちは、
軽めの前菜と
ソフトドリンクを頼んだりして
様子を伺う。
店員
「お待たせいたしました。」
しばらくすると
どうやら隣に
料理が運ばれてきたらしい。
店員
「こちらは旬のお魚の
刺し盛り。
こちらは牛を煮込んだ〜
こちらは〜」
美和
「わぁ、美味しそう！」
急にボソボソ女の声が
はっきりと聞こえた。
一郎
「ではこのあとに、
この鍋のセットを」
お前ら、
そんなに食うのか！
（あら私ったら
ツッコミがお下品、おほほほ。）
香織
「ねぇ…これ
別れ話する男女の
献立じゃないよね。
ガッツリ食べるんだよね。」
香織も同じことを
思ったようだ。
香織
「あー、なんかもう
声も聞こえないし
ムカつくんだけど！」
私
「まぁ、そうなんだけどさ
鍋が来るってことは
ここからなんかしらは
話す予定なはずでしょ。
ここまで来たからには、
なんかしらのワードを
聞いた方がいいよ。
もしかして、
このあと美和の家とかに
移動するということも
考えられるけど。
その時は勿論、
入る前に現場を押さえるけどさ。」
香織
「刺身や鍋食べながら
話すかなぁー。」
香織は小声で
ぷりぷり怒っている。
すると…
一郎
「それで…」
一郎が、刺し盛りを前に
お箸をおいた。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白。
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」