主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、香織は不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながらついに第一子が誕生。
九条一郎さん：長男で次郎の兄 35歳
九条 次郎：次男で香織の夫 33歳
九条京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん：
長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
妊娠が発覚したが、その時…
克子：夫の母、つまり香織にとっては義母。曲者。
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私は残りの仕事を終え
帰り道で改めて
香織に電話をかけた。
これまでに、
義母克子のことは
散々聞かされていたが
義兄の一郎さんが
浮気をしていたとは。
私
「…次郎くんが浮気して
どうしようって話なら
なんかまだ、
ふに落ちるものもあるけど。」
香織
「をい。」
私
「あ、ついつい。」
香織
「いやなんか、
そう言われるのも
わからなくはないからいいけど。」
私
「いいのか。」
香織
「よくはないか。
いやそれより、美和って女、
どうしようか。」
私
「あぁ、月が何ちゃら女ね。
しかしあの文章、
一体なんなの？
お前は夏目漱石気取りなの？
一郎のことそんなに知らないけど
あの会話だけ読むと、
普通に引くんだけど。」
香織
「いや本当に…
あのタイプ
私の周りにはいないから
全然わからない…
一郎さんだって普段
あんな話し方してるわけじゃないし…」
私
「まぁ…まずさ、
勿論証拠が必要だとは思うけど
麗子さん的に、
今すぐ問いただして
やめさせないと！
っていう感じでは
無さそうなの？
証拠を集めるってことは
しばらく一郎を
泳がせるってことになるけど
そのあたりは
どう思ってるのかな…
今のところこの文章だけでは
まだ色々と
進展する前とも取れるけど
その間に、進んだらどうしようとか
そっちの不安は
大丈夫なんだろうか…
あ、もう
呼び捨てだけどごめんね。」
香織
「いや、呼び捨てでもあだ名でも
なんでも。
ちなみに、泳がせることについては
麗子さんの提案なの。
急に問いただしたり
取り乱したりしないで
ちゃんと証拠を掴みたいって。
多分もう、
体の関係もあるよ。」
私
「そうなの？」
香織
「まぁそこは、
麗子さんの勘らしい。
でもさ…
麗子さんは、
一郎さんのことが
本当に好きなんだと思う。
それに、まだ赤ちゃんだって
生まれてないわけでしょ。
だからあまり
ことを大きくしたりして
離婚までは
考えてないのかも。」
私
「まぁ…そうだよね。
だってまだ、新婚さんだし
そっか…
お腹に可愛い赤ちゃんが…
赤ちゃん…
いや、ってかさ！
最悪だな！！
奥さんが妊娠中に
浮気する男なんて
もう、最低すぎる！！」
香織
「いや本当にそこだよ。
だってさ、
こんな時に浮気するって、
女は妊娠したら当たり前に
子供が生まれてくるって
安直に考えてるとしか
思えないの。
だって浮気してる間に
麗子さんの体に、赤ちゃんに
なんかあったら
どうするんだろうとかさ
そういうの、思わないのかな。」
私
「…思ってたら、
浮気なんかしてないだろうに。」
その時。
香織
「あ、待って。
今麗子さんから
LINEがきてる。
多分、今日も一郎さんの
携帯を見たんだと思う。
それでそのスクリーンショットを
送ってきてるのかと…
待ってね、私パソコンで
見れるようになってるから
このまま確認するよ。」
香織が思った通り
香織のLINEに届いたのは、
今日の一郎さんのやりとりだった。
本当に、ロックかけないんだな。
疑われているなんて、
これっぽっちも
思ってないんだな。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白。
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」