主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、香織は不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながらついに第一子が誕生。
九条一郎さん:長男で次郎の兄 35歳
九条 次郎:次男で香織の夫 33歳
九条京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん:
長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
妊娠が発覚したが、その時…
克子:夫の母、つまり香織にとっては義母。曲者。
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浮気の疑いがある一郎さんの
一番最近の
LINEのラリーを見た香織は
(美しいフレンチ…)
(お酒以上に酔いしれる…)
(改めて、惚れ直した…)
名前は、美和…
その言葉の使い方、表現からして
その辺の
若い女の子ではないことを
感じていた。
とりあえず、
これだけではわからない。
その前の文章を
読んでみることにした。
美和
「今夜は、
一郎さんにお会い出来ず
寂しい夜です。
まぁるい月を眺めながら
一人晩酌をしています。」
…わざわざ、
お伝え頂かなくて
よろしおすけど。
一郎さん
「美和さんのメールを拝見して
先ほどふと
夜空を見上げてみました。
なるほど本当に
まぁるい月ですね。
今夜はまだ
わたしは仕込みが続きますが
同じ月の下にいますから。」
美和
「それなら今夜は
一郎さんの存在を感じながら
月を抱いて(いだいて)
眠りたいと思います。」
香織
「……
ま、…まぁるい…」
麗子さん
「…ねぇ。
何を言ってるんだか…」
麗子さんが、
ため息をつく。
麗子さん
「ちなみにこの日一郎くんは
普通にうちにいて、
新しく考えた
体にいいっていう料理を
私とお腹の子のためにって
ニコニコ作ってくれていた日で…
すごく盛り付けも綺麗だったから
記念に写真を撮ってて。」
そして見せてくれた写真には
とても彩り豊かで
美味しそうな食事が
食卓いっぱいに並べられていた。
奥さんには
そんなことをしながら
外の女とは
月が丸だか四角だかって
話していたのか?
香織は、
目の前の
麗子さんの気持ちを考えると
その先のLINEが
読めなくなってしまった。
冷静に話してくれている
麗子さんの顔を見るのが
なんだか苦しかった。
香織
「…あの、、、
麗子さん、
これを読んで麗子さんは…
一郎さんとは…」
麗子さん
「あぁ、
離婚とかそういうの
…考えてるかってこと?」
香織
「…はい…」
麗子さん
「いや、流石にそこまでは
こんな状況では
考えられないな。
だけど…
これからどうしたらいいかも
あんまり考えられないの。
おかしいでしょ。
普段は結構
なんでも対処できるのにね。
…私、
強い方だと
…思って、たんだけどね……」
すると、
麗子さんの大きな瞳から
涙がポロポロ
ポロポロ溢れてきて
止まらなくなった。
香織
「麗子さぁん…」
思わずつられて
香織も涙が止まらなかった。
麗子さん
「ごめんね、香織ちゃん
こんな話・・・
ごめんね…
でも、
一郎くんがこんな…うっ…」
香織は思わず駆け寄り
麗子さんを
抱きしめていた。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白。
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」