主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、香織は不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながらついに第一子が誕生。
一郎:長男で次郎の兄 35歳 / 次郎:次男で香織の夫 33歳
京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん:
長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
克子:夫の母、つまり香織にとっては義母。
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香織は泣きながら次郎くんに
これまでの義母の言動が
どれだけ辛かったのか
一気にぶちまけた。
けれど肝心の次郎くんからは、
欲しい言葉が
返ってくるわけじゃない。
こんなにも
頼りない人だったんだっけ。
言いながら、
暖簾に腕押し状態なのがわかり
香織は虚しくもなった。
香織
「…とにかく今は
小次郎が寝ている間に
ちょっと寝る…
また2時間後には
起きるだろうから…」
次郎くん
「香織…
今日は疲れてると思うから
時間のある時、
ちゃんと話そう…」
香織
「ちゃんとって…私は、
今がその時だと思ってた。
だけど次郎くんからは
何も聞けなかった。
私が言いたいことは
今言ったから
次郎くんが何か言いたいなら
近いうちに
教えてください…じゃあ…」
そう言い残して
香織は小次郎くんが眠る
寝室に移動した。
可愛い息子の寝顔を見ながら
やっぱりまた
涙が溢れた。
こんなことで泣いている
自分が弱いのだろうか。
我慢が足りないのだろうか。
この子が生まれただけで
幸せなはずなのに。
◆
それから数日、
次郎くんの方は
何か話をしたそうだったが
香織は少しの間
話をしたくなかった。
期待して、傷つくのが怖かった。
◆
ある日の午後、
LINEが入った。
麗子さんからだった。
麗子さんのLINE
「香織ちゃん、子育てどう?
体調崩してない?
生活のリズムも崩れて
大変な時期だとは思うけど
大丈夫かな。」
麗子さんだって今は
妊娠中の身体なのに、
自分のことなど一切触れず
香織の体調ばかり
気遣ってくれる内容だった。
「麗子さん…。
ありがとうございます。
体調は…
そうですね、最近色々あって
正直、
ちょっとしんどいかもしれません…」
…ダメだ。
こんなこと、
妊婦の麗子さんに
言っちゃダメだ。
香織は書いたLINEを消して
香織のLINE
「ありがとうございます!
寝不足はありますが
元気ですよ!
麗子さんはどうですか?」
そう返信した。
麗子さん
「元気でよかった!
でも、やっぱり
寝不足になるよね。
寝れる時は寝れてる?
私は、今はつわりも酷くないし
本当に大変な時は
声かけてね!」
たったこれだけのことでも
今は涙が出そうだった。
そして香織は
自分がこんな気持ちの時に
わざわざ聞かなくてもいいと
そうも思っていたが
気になっていたことを
麗子さんに聞いた。
香織のLINE
「あの…お義母さんには
…いつ頃打ち明けるんですか?」
麗子さんのLINE
「そうなの…
実はそのことで
ちょっと気がかりなことがあって…
今度香織ちゃんの
体調が良い時にでも
聞いてくれるかな。」
香織のLINE
「麗子さんが良ければ
私は今日でも明日でも
大丈夫ですよ。」
それから2人は
その日の夜に
電話で話すことになった。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白。
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」