主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、香織は不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながらついに第一子が誕生。
一郎:長男で次郎の兄 35歳 / 次郎:次男で香織の夫 33歳
京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん:
長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
克子:夫の母、つまり香織にとっては義母。
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結婚式から半年ほどで
めでたくご懐妊の運びとなった、
一郎さん夫婦。
克子の顔を想像すると
いえーいとだけではいられない
心配な現実もあるが
ひとまず4人で乾杯をした。
麗子さん
「私は安定期というより…
妊娠3・4ヶ月目では
報告しないといけないと思うから…
その時は香織ちゃんたちも
同席してね。」
香織
「勿論ですよ。
…きっと麗子さんの方がこれから
大変かもしれないので…
出来ることならなんでも
協力させてください。」
心からそう思った。
◆
そんな
麗子さんから
嬉しい報告があったその週の
平日朝7時過ぎ。
ピンポーン。
え。
香織
「こんな時間に宅配?
ってか
小次郎が起きちゃうよー」
次郎くん
「流石にこの時間に宅配は…」
そう言って
朝の身支度をしていた次郎くんが
インターフォンを覗き込む。
次郎くん
「え…。」
その顔色と声色でわかった。
香織
「まさかだけど…」
次郎くん
「ちょっと母さん
なんだよこんな時間に!!」
インターフォン越しに
次郎くんが軽くキレている。
克子
「なんだよって
別に家族なんだから
どの時間でもいいでしょ。」
ふぁい?
克子
「いいから、
ちょっと両手塞がって
重いんだから開けてよ!!」
香織
(ちょ、ちょっと待ってよっ)
香織は小声でそう言うと
慌てて着替えをしに
自分の部屋に走った。
次郎くん
「母さん、ちょっと下で
待っててよ。」
克子
「はー?何言ってんのよ。
別に部屋が散らかってようが
そんなのいいわよ!
早く開けてよ。」
朝イチで
小次郎くんに母乳をあげて
寝かしつけて
次郎くんの朝食を用意しながら
洗濯をしていたので
部屋着で眼鏡で
髪の毛など整えてもない。
香織
(ってかこっちは
まだ寝る時間もバラバラの
新生児がいるんですけど!
連絡もなく突然
朝の7時に現れて
なんなのよ!!)
着替えながら香織は
発狂しそうだった。
結局次郎くんは
克子の迫力に負けて
すぐにロックを解除してしまった。
克子
「朝早くからごめんねー。
ちょっと母さんも
この後仕事があるから
先にと思ってねー
あれ、小次郎ちゃんは?」
玄関からどかどか上がり込み
リビングで
キョロキョロする克子。
お宮参りが終わったその週に
一度克子がやってきた日は
それでも連絡があった。
しかし今回は本当に
何も聞かされていなくて
香織は驚きより
怒りが勝っていた。
次郎くん
「母さん、いくらなんでも
この時間に
しかも連絡もなしに来るなんて
やめてよ。
俺今から仕事なんだよ。
まだ朝ごはんも食べてないし
バタバタしてる時に
一体なんの用なの?」
克子
「何よ。
私が来たって
あんたは自分の準備
さっさとやってたらいいでしょ?
私は香織さんと話せたら
それでいいんだから。」
いやこちらは、
そんなつもりは全く…
克子
「あー、そうそう、
香織さんこれ見てよー。
近所の方が昨日
小次郎ちゃんにって
可愛いお洋服くれてねー
見てよちっちゃい!
可愛いわよねー!
先に渡そうと思ってー。
香織さん、住所言うから
お礼状、書いといてね。
ねぇ、ちょっと
小次郎ちゃんは?」
急に現れて、
一人でペラペラ話す克子。
香織の頭で
お湯が沸きそうだった。
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これまでのシリーズはこちら。
1.ミキの芝生『DVモラハラ夫の不倫』
2.武田さんの芝生『妊娠発覚。彼氏は既婚者だった。
3.紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
4.琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
5..読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
6.みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
7.春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
8.青木の芝生 男友達の告白。
9. 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
10. 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」