主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚。
その後、香織は不育症と義母の言動に悩まされていたが
それから7年、不育の不安と闘いながら妊娠継続中。
だが、切迫早産のため、入院となる。
一郎：長男で次郎の兄 35歳 / 次郎：次男で香織の夫 33歳
京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん：長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
克子：夫の母、つまり香織にとっては義母。
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切迫早産に対して
あまりにも理解のない義母に
義姉である麗子さんのお父さんが
医師として
電話をかけてくれて
その様子を麗子さんが話してくれた。
◆
麗子さんの父（外科医）
「今日は香織さんが
大変だったようで…」
義母克子
「まぁわざわざすいません。
ご心配おかけして…
でもお父様のご紹介のおかげで
香織さんも安心して
その大学病院に
通わせていただいていたので
今回も大事に至らずに
すんだようです。」
麗子さんの父（外科医）
「それは良かった。
しかし切迫早産は、
いつ急に子宮口が開いて
お産になるかもわからないので
まだまだ油断は禁物ですね。」
義母克子
「そうなんですのよ。
だから私からも、
もう十分に休息をとって
とにかく動かないようにって
話してあるんですのよ。」
…そんなこと
言われてないが。
麗子さんの父（外科医）
「香織さんは
頑張ってしまうタイプのようなので
きっと仕事でも
無理をされていたのかも
しれませんね。」
克子
「えぇ、私も常に
気をつけてと
伝えていたんですがねぇ。」
麗子さんの父（外科医）
「いやまぁ切迫早産は
絶対にこれといった
理由はつけられないので
気をつけてなかったからとか
そういうことではないですよ。
とにかく医者としては
今はトイレにだって
言って欲しくないくらいですから
僕も心配ではありますが
次郎くんや
香織さんのお母さん以外のお見舞いは
しばらく身内は皆
避けた方が良さそうですよね。」
克子
「私もそんなふうに
思ってたところです。
◆
麗子さん
「こんな感じの
会話だったみたい…
お義母さんは
うちのお父さんには
なんでも会話を合わせるから…」
香織
「そうですね。
…突っ込みどころは
いくつもありましたが…」
麗子さん
「いや本当に…
でもひとまずこれで
お義母さんが
お見舞いに行かないように
そのことは
お父さんから伝えられたから
これでもし仮にお義母さんが
病院に行くようなことがあったら
またお父さんから
電話してもらおう。
もしくは香織ちゃんの方でも
担当の先生から
話してもらえるようだったら
それもいいとは思う。」
香織
「そうですね、
ありがとうございます。
今日の電話で何度か
絶対に来ないでくださいって
言いかけてたんですけど、
麗子さんのお父さんの言葉が
医師として一番
わかりやすくて
聞き入れやすいと思うので
…ホッとしました。」
麗子さん
「良かった
そう思ってもらえて。
今日はこの後
ゆっくり寝れそう？」
香織
「はい。耳だけ
ラジオでも聴きながら
目を閉じてます。」
それから１週間。
一度地元の方から
香織ちゃんのお母さんが
会いにきてくれて
義母からの直接の連絡は
麗子さんのお父さんのおかげで
ぱったりと途絶えたが
次郎くんの方には
しょっちゅう電話が来るらしい。
けれど
なんて言っているのかは
あえて聞かなかった。
それにしても
張り止めの点滴がないと
お腹の張りは
一向に治らない。
さらに１週間が経過して
入院生活にも慣れてきた頃。
次郎くん
「香織に、母さんから
伝言があるんだけど
…いいかな。」
いや、無理。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」