主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
さらに1年半後、妊娠発覚し、安定期に入っているが、まだまだ不安。
一郎：長男で次郎の兄 35歳 / 次郎：次男で香織の夫 33歳
京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
小田切麗子さん：長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
克子：夫の母、つまり香織にとっては義母。
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お腹の張りを感じて
香織は不育治療でずっと
お世話になっている
大学病院に行った。
すぐにエコーで見てもらい
赤ちゃんは元気とのことだが
何やら先生たちが
話し込んでいる。
その間香織のお腹にはひたすら
赤ちゃんの心音を確認するための
機械が取り付けられていて
張り止めの点滴は
ずっとされたままだ。
途中から合流した次郎くんは
ソワソワしていて
しばらくすると
担当医の女医さんが
部屋に入ってきた。
女性医師
「香織さん、
これは、切迫早産ですね。」
香織
「切迫…早産…？」
聞いたことはあるが
それが実際
どういうことなのかは
全くわからなかった。
女性医師
「このままだと
陣痛が始まってしまって
出産することになります。」
香織
「え？今ですか？」
女性医師
「そうですね。
ただ、今の週数だと
肺などの機能が
まだ出来ていない状態なので
なるべく1日でも多く
ママのお腹の中に
いてもらいたいんですね。」
女性医師の口調は
とても穏やかだったが
香織は自分の体のことながら
何が起こっているのか
全然わからなかった。
香織
「なるほど…
となると…一体これから
どういう形に…」
女性医師
「このケースは、
今から即入院です。
入院に必要なものは
お手数ですがご主人が
取りに帰っていただきたいんです。」
香織
「今から…
えっと、
私がタクシーなどで
取りに帰るわけには
いかないんでしょうか。」
女性医師
「そうなんですよ。
今の状態から考えると
これから退院の日までは
点滴は繋げた状態のままで
ベッドの上でのみ
過ごしていただくことになります。」
香織
「ベッドの上でのみ…」
女性医師
「香織さんはこれから、
しばらく病室から
廊下にさえも
出ることは禁止になります。
トイレに行く時も
一旦ナースコールをしてください。
荷物を持つのもダメです。
お風呂もしばらくは
難しいので、
看護師が体を拭きに伺います。
切迫早産には
安静度のレベルがあるんですが
香織さんの場合は
一番高いレベルです。」
一番高い…
なんだか急に
不安になってきた。
香織
「絶対安静…
それって、これからもう
出産まで
ずっとなんですかね…
私、まだ
産休に入ってなくて…」
女性医師
「香織さん。
退院までの日数が
どのくらいかは
今は確定できませんが
今言えることは、
出産までもう、
仕事は出来ないと
考えてください。
ただ、パソコンくらいなら
持ってきてもらってもいいので
気が紛れるなら
時々体を少し起こして
お仕事をしていただいても
問題ないですからね。
急なことで
大変だとは思いますが
私たちも全力で
赤ちゃんを守って行きますからね。」
香織
「はい、わかりました。
よろしくお願いします。」
その日から香織は
突然、
入院することになった。
香織の心配は
切迫早産
というワードの他に
あの人に、報告をいれる。
ということだった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」