主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎：長男で次郎の兄 35歳 / 次郎：次男で香織の夫 33歳
京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
麗子さん：長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
克子：夫の母、つまり香織にとっては義母。
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不育症で、
２度も辛い思いをしてきた香織。
その彼女が、三度（みたび）
妊娠出来たとわかり
一緒に喜びを分かち合いたいが
その報告と同時に、
電話越しで
声を震わせて泣いている。
香織
「私さ、マタニティライフって
キラキラして
ただただ幸せな
そんな時間なんだと思ってた。
赤ちゃんがお腹の中にいる
ママとの大切な時間。」
私
「うん…」
香織
「もちろん嬉しい。
本当に嬉しい。
だけど…
安産のお参りしたり
お守り買ったり
そんな風に祈ったのに
それなのに、
結局会えなかったから…
今回も予定日まで多分
1日だって安心出来る日は
ないんだと思う。」
私
「うん…」
香織
「ごめんね。
じゃあ諦めたらいいのに
諦められなくってさ…」
私
「いいじゃない。
謝らないでよ。
だって
諦めることなんかない。
だからまた
赤ちゃんが来てくれた。」
言いながら、
こんな言葉で合っているのか
当時独身の私に
何が言ってあげられるのか
わからなかった。
だけど祈りたい。
そしてどうか
届いてもらいたい。
だって香織はこれまで
７年間ずっと
諦めようか、
いや、頑張りたい。
いつもそんな気持ちで
自分と戦ってきたのだから。
香織
「うん…
そうだよね…
頑張る…って言ったって
主治医を信じて
漢方飲んだりとか
そういうことしか出来ないけど…
私が一番
信じてあげないとね。」
私
「そうだよ。
でも、
無理しない範囲でね。
今、つわりはどうなの？」
香織
「それはまぁ、
想定の範囲というか
全然大変じゃないよ。」
私
「そっか…
あ…無理しないといえば
…こんなこと
言うのもなんだけど
しばらく
お義母さんと会うのは
ヤメた方がいいんでは？
今のところ良くも悪くも
お義母さんって
一郎さんの結婚式の準備に
夢中なんだろうけど…」
香織
「そうなんだよね…
ってもう来月には
結婚式だから…
それが私には
救いなんだけど、
一郎さんたちには
打ち明けようかな…」
私
「そうだね、
それがいい気がするよ。」
それから私と香織は
毎週のように
時には毎日のように
連絡を取り合った。
不安な香織の気が
少しでも紛れたらいいなと思った。
そして、
それから1ヶ月が経過して
香織の容体も落ち着いていて
ついに
一郎さんと麗子さんの
結婚式当日を迎えた。
香織の結婚式も
かなり豪華なものだったと思うが
やはり麗子さんのところも
地域で有名な病院のご令嬢。
香織
（私の比じゃなかった
）
と香織が唸るほど
気合の入った
結婚式だったらしい。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」