主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎:長男で次郎の兄 35歳 / 次郎:次男で香織の夫 33歳
京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
麗子さん:長男一郎の婚約者 36歳 地域で有名な病院のご令嬢。
克子:夫の母、つまり香織にとっては義母。
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一郎さんの婚約者となる
麗子さんが訪れてから、
早1ヶ月。
その期間の間に、
一郎さんが麗子さんを実家に
連れてくることはなかったが
2人の仲は順調のようだ。
克子はもう結婚は
決まったも同然と言わんばかりに
うちの嫁が小田切病院のご令嬢だと
親戚中に
ペラりんキューしている。
勿論この1ヶ月の間に
一郎さんは克子にちゃんと
麗子さんはこの店で
働かないと告げている。
そして同居も
する予定はないと。
その件についてなんと
克子は条件をのんだのだが
それはきっと
小田切一族と親戚になれるという
その気持ちから
まずはとにかく
籍を入れさせたいのだと
香織は思った。
だけどこの義母が
そんな簡単に
引き下がるのだろうか…
もっと細かい話をちゃんと
一郎さんと義母は
するべきなんじゃないかと
そう思っているが
まぁあの母親相手では
自分の言いたいことを
押し切られるだけだ。
話したくもないのだろう。
それからあっという間に
2人の結婚が決まり、
さらに1ヶ月後には
両家の顔合わせとなり
その際の義母の
気合の入れようは
すごかった。
この辺りも書きたいところだが
あまり細かく書きすぎると
このシーズン
あと1年くらい続きそうなので
流石に割愛。
(だってこの後もっと
いろんなことがあるんだもーん💦)
さらに半年の月日が流れ
もうすぐ結婚式という時。
◆
私
「もしもし?あぁ、香織?
どした?
話したいことがあるって。」
その日
香織からLINEで
電話で話したいと連絡があった。
そのLINEを読んで
もしかして?
と思っていた。
香織
「…パンダ…
あのね、パンダにだけは
先に伝えるね。
私、妊娠したの。
今、3ヶ月過ぎたよ。」
私
「え…
良かった…
うん、おめでとう。
おめでとう、香織。」
あぁ、良かった。
まずはホッとした・・
私は心からのおめでとうを
静かに伝えた。
香織の声のトーンが
嬉しさと不安とでとても
落ち着いたものだったからだ。
香織
「うん、ありがとう。
とりあえず、第一段階は…
今回も、うちの母親と
次郎くんしかまだ知らない。
来週にはまた
事情を知ってる上司には
報告したいと思ってるけど
前は…
安定期に入ってから
ダメだったから…
大学病院で今、
漢方とかをもらいながら
しっかり様子を見ていくから。」
私
「うん、そうだね。
とにかく
教えてくれてありがとう。
ねぇ香織、
もう率直に聞くけど
この言葉辛いとか、
こうして欲しいとか
そういうのあれば
ちゃんと教えてね。」
香織
「うん、パンダにはもう
色々打ち明けた後だから…
だけどさ…うぅ・・・」
突然、香織が泣き出した。
私
「うん、うん、どした?」
香織
「嬉しいはずなのに…
3回目もダメだったら…
毎日不安で不安で
怖くて怖くて
仕方ないんだよ…」
電話越しの香織を
今すぐ東京から大阪に飛んで
抱きしめてあげたかった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」