主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。

27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。

それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。

 

一郎:長男で次郎の兄 35歳 / 次郎:次男で香織の夫 33歳

京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。

 

克子:夫の母、つまり義母。

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長男の一郎さんから

年上経営者の彼女がいると

そう打ち明けられたが

 

香織も次郎くんも

いい案は思い浮かばなかった。

 

 

けれど時間は

刻一刻と過ぎてゆくもので

一郎さんはついに

結婚を考えている人がいると

母親に打ち明けることにした。

 

 

 

 

その日、一郎さんに頼まれて

次郎くんと香織も

実家に集められた。

 

 

京子ちゃん

「ねぇ香織ちゃん。

 今日って何の日なの?

 なんか兄さんたち、

 いつもと雰囲気違うと思わない?」

 

 

次郎くんと香織が

実家に集まるのは珍しくないが

それでも妹の京子ちゃんは

何かを感じていたらしい。

 

 

 

香織

「さ、さぁ、なんだろう。」

 

 

家での夕飯は

基本的に克子が作る。

 

勿論それを、香織が手伝う。

 

 

準備中でも、

相変わらず口うるさいが

克子の作る家庭料理は

手が混んでいて本当に美味しい。

 

 

まずは普通に皆で夕食を食べ、

その際の会話も、

たわいのない話だったが

 

 

克子

「それで香織さん、

 お仕事はお忙しいの?」

 

 

克子が急に

香織に話を振ってきた。

 

 

 

香織

「あ、はい。そうですね。

 今は多少

 忙しい時期ですね。」

 

 

克子

「フゥン。いつ聞いても

 忙しい時期で

 落ち着いてた時なんて

 ないんじゃないの?

 

 それで家のこととか

 ちゃんと出来てるのかしら。」

 

 

 

次郎くん

「出来てるよ。

 少なくとも俺は、

 一つも不満がない。」

 

 

嫌味の1つでも言わなければ

気が済まない様子の克子だが

 

次郎くんがそれでも

すぐにこうして

庇ってくれるのはありがたい。

 

 

 

克子

「へぇ。まぁ次郎が

 良いっていうんなら

 それで良いですけど。」

 

 

と、どこか不満げな様子は

隠し切れていない。

 

 

 

克子

「それより一郎。

 

 どうしたの、食欲ないの?

 あまり食べてないじゃない。」

 

 

克子が気づいた。

 

 

 

そして一郎さんが

持っていたお箸を置いた。

 

 

一郎

「……あぁ・・母さん、父さん

 

 

 ちょっと

 聞いてもらいたいことがあるんだ。」

 

 

 

 

克子

「え?何よ急に。」

 

 

 

隣でお義父さんも

驚いた顔をしていた。

 

 

 

一郎さん

「……実は、

 

 

 結婚したい人がいるんだ。」

 

 

 

京子ちゃん

「え!誰!!!?」

 

 

 

先に声を出したのは

京子ちゃんだった。

 

 

 

克子

「結婚??

 

 あら、良いじゃないの!!

 

 え?でもどういうこと?

 だってついこの間も

 お見合いしたでしょ?」

 

 

 

京子ちゃん

「…たしかに。」

 

 

 

一郎さん

「……まぁ、なんとなく

 どんどん話が進んで、

 言えなかったから。」

 

 

 

 

克子

「…なんで言えないよの。

 あなたが結婚したいなんて

 そんな気持ちがあるの

 母さん初めて聞いたわよ。

 

 出会いがないと思ってたから

 だから母さんが

 お相手探してきてたんじゃない。

 

 好きな人がいるんなら

 良かったじゃない。」

 

 

 

 

克子が何だかとても

ホッとした表情をしている。

 

 

 

 

 

 

それも束の間。

 

 

 

 

 

一郎さん

「じゃあ、素直に

 喜んでくれるのか?」

 

 

 

 

克子

「当たり前じゃない。

 もうあなたも35歳になって

 お嫁に来てくださる方が

 いらっしゃるなら

 お母さんたちも安心だわよ。

 

 

 …それで、お相手は

 どこのお嬢さんなの?

 

 

 まずご年齢は

 おいくつなの?」

 

 

 

 

一郎さん

「年齢?そんなの関係ある?」

 

 

 

 

克子

「別にそこが

 重要ってわけじゃないけど

 聞いたって良いじゃないの。

 

 どうせ後から

 わかることなんだから。」

 

 

 

 

一郎さん

「…俺よりひとつ年上の、

 36歳だけど。」

 

 

 

 

克子

「はい?」

 

 

 

 

克子の表情が、

あからさまに曇ったのがわかった。

 

 

 

 

 

 

 

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Oisix始めました。

 

 

これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」

シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』

シーズン8  青木の芝生  男友達の告白。

シーズン9  紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」

シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」