主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎:長男で次郎の兄 / 次郎:次男で香織の夫
京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
克子:夫の母、つまり義母。
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長男のお見合いは、
当人同士がほとんど話さぬまま
親同士が勝手に
話を進めてゆく。
桜子の父
「ちなみに
一郎くんは将来お1人で
家業を継ぐんですか?」
義母克子
「そうですね。
ただまぁ私としては
娘の京子あたりが、
うちの板前と結婚してくれたら
もっといいなと
思ってるんですけどもね。」
桜子の母
「まぁなかなか
こればっかりは
親の思うようには
いかないですからね。」
こんなんじゃあ全然、
当人同士が話せてない。
義母克子
「それで桜子さんは、
将来お子さんは
何人くらい欲しいと
思ってらっしゃる?」
はい?
その質問に、
香織は固まった。
桜子さん
「え…あ。あぁ・・
そうですね…
どうでしょうか。」
お見合いに、
義母が参加し続ける限り
まとまるものも
決してまとまらないんでは。
と、香織はこの時
心から思った。
長男のお見合い。
開始から10分も経過してないのに
早々に、
子供は何人欲しいかと
お見合い相手の女性に尋ねた義母。
香織は自分が
気にしすぎているだけかと
思ったりもしたが
27歳の桜子さんも
少し引いていたのがわかった。
そりゃあそうだ。
両親の目の前で
子作りどうするのって
聞かれたも同然なのだから。
香織
「あの…
当人であるお二人が
まだ全然
話せてないと思うので
お二人で
お散歩とかされてみては
どうでしょうか。」
香織が口を挟んだ。
次郎
「まぁそうですよね。
兄さんはシャイなんで
こういうところではあんまり
うまく話せないんですよ。」
義母克子
「あら、そうね、
せっかくだから
2人で話してきたらどうかしら。」
それから2人は
なんだかとても
ぎこちない様子で出て行った。
それからはまた
克子劇場だった。
しかしやはりすごいのは
長年老舗の女将を
努めているだけはあって
話題は豊富で、
時々桜子さんのご両親は
時折、声を出して
笑っていたりもする。
確かに香織が
初めて顔合わせをした時、
この義母のよそいきの顔に
このお義母さんとなら
うまくやっていけるかも
なんてことを
思ったりもしたのだから。
とはいえこの結果
2人が付き合うことはなかった。
義母克子
「やっぱりねぇ。
あの子じゃあちょっと
世間知らずすぎたわね。
お父様は立派だけど
ほら、
お母様がなんというか
放任主義な感じだったでしょ。」
お見合いの席であんなに
調子のいいことを言っていたのに
破談になった途端
この言い草だ。
恋愛結婚でも
お見合いでも
一郎さんの結婚はまだまだ
前途多難なようだった。
と。
思っていたけど、
実は一郎さんには、
彼女がいたらしい。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」