主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎：長男で次郎の兄 / 次郎：次男で香織の夫
京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
克子：夫の母、つまり義母。
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ついに
お見合いすることになった
長男の一郎さん。
ここに同席する意味は
正直わからなかったが
香織はこれでもし
お嫁さんが決まったら
肩の荷が降りるような
可哀想な気もするような
複雑な思いで、夫の次郎と2人
この席に座っていた。
27歳の桜子さんの父は、
料理屋の上得意さんで
会社経営者だった。
義母克子
「桜子さんは、
何かご趣味がありますの？」
なぜ克子が聞く！
桜子さん
「趣味は…
なんでしょうか。
趣味と言えるかどうか
わかりませんけど、
学生時代からテニスをしていて
今も時々…」
趣味とか聞かれて
スラッと答えられるのいいな。
（ぼそっ）
義母克子
「まぁ、
スポーツ万能なんて
いいわね。一郎さん。
やっぱり今時の女性は
アクティブじゃないとね。」
いやおい、前に香織が
学生時代はバスケやってました
って言ったら
バスケなんてなんだか
野蛮なスポーツの印象だわね
オホホホー
って言われたらしいですけどー
スポーツの種類で
区別するんですかーー！！
それともお父様が
上得意様だからですかー！
と、香織は
心の中で叫びつつ
想像の中で義母を
ダンクシュートしていた。
（それは意味がわからん。）
義母克子
「それで、桜子さんは
普段お料理とかは
なさるのかしら？」
桜子さん
「あ・・いえ、すみません。
多少はするんですけど、
こんな一流方たちの前で
出来るとは
絶対に言えません…」
いやそれは遠回しに
料理できますって
言っているようなもんでは…
その時香織は
桜子さんと目が合った。
香織
「・・・・。にこっ。」
桜子さん
「（おそるおそる）にこっ。」
桜子の母
「すみません、うちの主人から
このお見合いの
お話を聞いた時は
お名前を伺って
驚きましたの。
うちの娘は世間知らずで
何も出来ないので、
申し訳ないです。
うちの息子の方は
会社の跡取りとして
色々と躾けておりましたけど
うちの娘が
老舗のご長男さんのお宅で
嫁として務まるとは…」
義母克子
「いえいえ、そんなご謙遜を。
私なんて
この家に嫁いで来た時は
もう本当に世間知らずで
右も左も
分からないままでしたよ。
でも桜子さんは今、
お父様の会社で
立派にお勤めもされていて
素晴らしいじゃありませんか。」
お義母さん。
今もチミはある意味
世間知らずだお。
っていうかついこの間
勤めなんてやめて
早く孫を、って
言ってたところでしたよね。
桜子さんが嫁になったら
お父さんの会社を
すぐに辞めなさいと
いうのかしら。
むしろお父さんの会社だから
辞めやすいのかしら。
それにしても
桜子さんのお母さんも
長男を跡取りとして躾けとは…
似たもの同士なのかもしれないが
こんな家同士が家族になると
一体どうなるんだろう…
と、そんなことより香織は
このラリーの間
一郎さんが一言も
発していないのが気になっていた。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」