主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎：長男で次郎の兄 / 次郎：次男で香織の夫
京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
克子：夫の母、つまり義母。
※数年前に遡って書いています。
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しばらく
2人で泣いていると、
香織が顔をあげた。
香織
「ふぅ。よく考えたら
ここレストランだった（笑）
パンダ、本当にありがとう。
一緒に泣いてくれて。
やっぱりいいね。
1人で抱え込まないって。
せっかく久しぶりに会うのに
今日はこんなこと
話すつもり
全然なかったけどさ。」
私
「いや、私もこんなに
泣くつもりなかったけど。」
香織
「あはは、
でももう次に妊娠したら
パンダに絶対話すからね。
応援してね。」
私
「うん、絶対応援する。
あ、あともしも
これからお義母さんに
コンニャロー！って思ったら
それも時々は共有して。
香織の代わりに私が
東京から叫んどくから（笑）」
香織
「え、助かる(￣▽￣)」
それにしても香織は、
偉いなと思う。
なんやかんや言いながら
忙しく仕事をしている合間に
ちゃんと
親戚付き合いもしている。
結婚するって、
そういうことなのかな。
独身時代が長い当時の私には
やはり
イマイチそういうことが
ピンとこなかったりする。
香織
「私ね、お義母さんとは
なんやかんやあるけど
次郎くんの実家のお店の味、
大好きなんだ。」
私
「へぇー、そうなんだ。
まぁ、老舗だもんね。
私もいつか一度
食べに行きたいな。
長く愛されるってことはさ、
やっぱり美味しいって
ことなんだろうね。」
香織
「うん、きてきて！
そうなの。
それに私さ
外資の仕事してるでしょ。」
私
「うんうん。」
香織
「海外から来た人を
お店に連れてくるとね、
庭とかお座敷とか
創作料理を見て
ビューティフォー
ワンダホーって
大喜びしてくれるのね。
だからやっぱり
そういうのを守り抜いてきた
お義父さんとか、お料理は
すごいって思うから。」
私
「そうなんだ。
じゃあ香織としては、
実家の方たちとは
うまくやりたいのね。」
香織
「うん、曲者は基本的に
お義母さんだから、
味方もいるのが救い。
京子ちゃん以外
男性たちは誰も
お義母さんには
言い返せないみたいだけど。」
私
「なるほど。」
翌日香織は、
大阪に帰って行った。
お互いに
いつもの日常が戻っていたが
それから1ヶ月後。
長男の一郎さんが
お義母さんの紹介で
お見合いをすることになった。
◆
お見合い場所は、
実家の料理屋ではなく
ホテルのレストラン。
一郎さんの他に、
同席者は義父と義母
そして何故か、
次郎・香織夫婦も。
なんで同席やねん。
と心の中で思いながら、
未来の義姉（妹？）に
なるかもしれないのだから
お顔だけは爽やかに、
香織は、
風のようにそっと笑った。
（藤井フミヤ的な。）
彼女は桜子、27歳。
父親が
そこそこの会社を経営していて
その会社に勤めている。
義母克子
「お父様が、うちのお店の
お得意様でね、
息子がいるっていう話をしたら
是非一度なんて
おっしゃってくださるから
今日の運びとなったんだけど
まぁーー、もうこんなに
可愛いお嬢様がいらっしゃるなんて
夢にも思わなかった！！」
克子はとても
テンションが高かった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」