主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎:長男で次郎の兄 / 次郎:次男で香織の夫
京子ちゃん:3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
克子:夫の母、つまり義母
※数年前に遡って書いています。
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なかなか結婚しない
長男に痺れを切らして
次男の嫁である香織に、
後継者の期待を寄せまくる義母。
しかしその考え方は
時代錯誤で自分の見栄のため。
香織はそんな義母のために
子供を産み育てたいわけじゃない。
1度目は悲しい結果となり
それから1年以上経過して
再びお腹に宿った新しい命。
香織はとにかく
大切に大切に、
この命を守りたくて
妊娠していることは、
義母には知らせなかったが
そんな合間にも
(過去のことなんて
くよくよ悩んでないで
そろそろ私たちに
孫の顔を見せてくれないかしら。
お勤めなんて
いつ辞めたっていいでしょ?)
と言い放った。
私
「そういう時、
次郎くんは守ってくれるの?」
香織
「お義母さんがそう言う時は
大体次郎くんが
いない場所で言うんだけど
後から私が家に帰って
次郎くんに伝えたら
ホント母さんって
しょうがないな。
みたいな感じにはなる。」
私
「え、それだけ?」
香織
「まぁ、
それだけ、かな。」
私
「いや、ねぇ。
そんなこと言われたら私なら、
燃え盛るけど?」
香織
「どう言う意味(笑)」
私
「あ、いや、なんか
もっとちゃんと言えこのやろー!
ドッカーン!
ってなる。
…から、いまだに
嫁に行けてないのか?(笑)
合わせることも
大事なのかな。」
自分で
自爆している場合じゃない。
香織
「いや勿論、
どっかーんもあるよ。
次郎くん優しいけど
鈍感だからね。
でもこの件では、
次郎くんを頼るのは、
ちょっと諦めてる。」
私
「…難しいもんだなぁ…」
香織
「なんかね…なんだろうね。
まぁさ・・・それで…
そんなことがありながらも
安定期も過ぎて…
やっぱりダメでさ…
その時、信頼できる
上司1人にだけ
本当のことを話したら
そしたら1ヶ月
休みをくれて…
毎日泣いて暮らしてた。」
私
「……。」
香織
「やっぱり
お義母さんには言わなくて
本当に良かったなんて
そんなことも考えたりした。
もし伝えていたとして
その後また
心ないこと言われたりしたら
立ち直れなかったと思うし…」
私
「そうだね…」
香織
「でも、ってことは
何にも知らないわけだからさ、
その1ヶ月の間に
次郎くんの方には
実家の手伝いに来なさいって
すごく電話もかかってきてて
仕事が忙しいとか色々と
嘘ついてもらいながら
次郎くん1人で
行ってもらってたな…。
今思えば次郎くんだって
ショックだった
はずなのにね…」
私は香織のお腹をさすった。
ずっと、
幸せなんだと思っていた。
けれど、
どれほど辛かっただろう。
どれだけ、
泣いたんだろう。
香織のお腹に
2回もやってきてくれた
可愛い赤ちゃん。
2回目は、
お腹の中で心音が消え
週数的に、
一度出産する形になり
埋葬も行ったそうだ。
私
「・・・・う、、うぅ…」
さすりながら、
涙が溢れてきた。
香織
「パンダぁ・・・
ありがとう。
私さ、まだ諦めないからね。
跡取りの為じゃないよ。
大好きな次郎くんとの
赤ちゃんが欲しいんだ。」
私
「うん。
そうだよね、うん。」
涙でグッチャグチャの顔で、
お腹をさする私の手の上に
香織が掌を重ねた。
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今週は一風堂さん監修のお鍋セットも申し込みました^^
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」