主人公 香織：パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
一郎：長男で次郎の兄 / 次郎：次男で香織の夫
京子ちゃん：3人兄弟の末っ子。香織ちゃんの理解者でもある。
克子：夫の母、つまり義母
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結婚式の時に、
一度ご挨拶したおじさんは、
遠い親戚で
中学の校長先生を
なさっている方らしい。
義母克子
「それでね、
あちらの奥さんがその時
ペラペラペラペラ。
だけど私はこう思うのよ
ペラペラペラペラ。」
…。
…長い。超絶長い。
しかも正座。
もう、この場を
立ち去ってもよろしおすか。
私、必要ないですよね。
これならまだ、
皆さんにビールやらお食事を
配っていた方が
まだ良いのですが。
と、そんな言葉が
頭を３０回転くらいしていた時。
義母克子
「それにしてもうちって
まだ誰も
孫を作ってくれないでしょ。
困ってるんですよ。
だからせめて
香織さんくらいはって
そう思ってたのに…ねぇ。」
は？
いや、香織にとっては
一度しかお会いしたことのない
そんな男性の前で
この話始めますか？
親戚のおじさん
「まぁまぁこればかりは
授かりものだから。
気長に待ってたら
待つ楽しみがあって
それはそれでいいもんだよ。
一郎くんだって
まだまだ若いんだし。」
おぉ、
一度しか会ったことないから
誰かわからん
とか思ってしまって
すみません。
フォローありがたいです！
と、香織ちゃんが
心で何度もぺこりしていた時
義母克子
「いやね、一郎はいいですよ。
これから２０代の若い女の子と
お見合いさせますから。
でも香織さんも
京子ももう３０代でしょ。
３０代の女性が
1人も子供を
産み育ててないなんて
私の時代では
考えられないっていうか
本当に今の子たちって
一体なにを考えて
生きてるんでしょうね。」
いや、あの。
ふぁい？
克子よ、今なんて？
同じ女性として、
ジャパンを生きる人として
その偏りまくったお考え
如何されましたか？？？
香織は克子の隣で
当時はまだなにも言い返せず、
凍りついていた。
親戚のおじさん
「ファッファッファ。
（注：バルタン星人とかではない。）
今の子供たちは、
そもそも結婚に
興味がないみたいだからね。
それでいうとまず
香織さんのような方が
次郎くんのお嫁に来てくれて
良かったじゃないか。」
義母克子
「でも嫁の務めは」
親戚のおじさん
「あ、なんだ。
今日、田中さんも来てたのかー。
じゃあ僕は、
ちょっとあちらの方にも
ご挨拶してくるとしようかな。」
克子がその先の
最悪な言葉を発する前に、
このおじさんが立ち上がり
この場から
離れようとしてくれた。
多分これは
あえてそうしてくれたんだろうと
立ち上がる時に
おじさんがくれた目配せで
香織はそう思った。
（おじさんおじさん言ってごめんね。）
ダメだ。
努力しようと思ったけど
やっぱりこのお義母さんとは
仲良くなれる気がしない。
少し向こうの輪の中で
次郎が楽しそうにお酒を飲み、
笑っているのが見えて
なんだか呑気なもんだなと
香織は唇をギュッと結んだ。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」