主人公 香織:パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男である次郎と結婚した。
それから5年、香織は不育症と義母の言動に悩まされていた。
次郎:香織の夫
克子:夫の母、つまり義母
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餅つき大会も無事に終わり
これで解散
かと思いきや、
今度は夕方になると
料理屋貸切状態で、
親戚中集まった宴会に。
次々に無くなるお酒や
空いたお皿、
その準備や片付けのために
香織が
座っている暇などなかった。
京子ちゃん
「はーあ。朝から疲れた。
今日もみんな
遅くまでいるのかな。
ねぇ香織ちゃん、
もう抜けて私の部屋で
テレビでも見ない?」
義妹の京子ちゃんは、
30歳だが
まだ実家で暮らしている。
そこそこ良い会社に勤めていて
彼氏だっているが
まだ結婚には
踏み切れない相手らしい。
香織
「あぁ・・京子ちゃん。
ありがとう。
いいよ、京子ちゃんは休んでて。
流石に私が
一緒にテレビ見てるわけにも
いかないからね。」
京子ちゃん
「いやでもさぁ、
香織ちゃんも普段は
毎日働いてるんだから、
たまの休みにこんなに
うちの行事ばっかり呼ばれてたら
たまったもんじゃないでしょ。
いいんだよ、香織ちゃんは
次男の嫁なんだから
断ったってさ。」
香織の結婚が決まった時、
京子ちゃんは、
上の兄弟2人とも男なので、
お姉さんができたと、
とても喜んでくれた。
香織
「そう言ってくれるだけで
なんか心強いよ。」
京子ちゃん
「いや、だってさ、
お母さんってなんやかんや
全部、嫁が嫁がって
香織ちゃんに
任せてばっかりじゃん。
私も小さい頃から
あなたは女の子なんだから
家のことをやって当然なのよ。
将来お嫁さんになるんだから。
って育てられてきて
なんだかその『お嫁さん』に
全然憧れない
大人になっちゃったな。」
うん、そうなの。
マジで。
と、言えたら楽だが
さすがにまだそこまで
言い合える仲ではない。
でも香織にとって
京子ちゃんの存在は確かに、
心の助けになっていた。
義母克子
「ちょっと、なによ2人とも。
お酒が遅いと思ったら
こんなところで!」
京子ちゃん
「おじさんたち
飲み過ぎなんだってば。
ちょっとくらいお酒がなくても
大丈夫でしょ。
それに、まだうちら何にも
食べてないんだよ。」
義母克子
「あなたたちは全部終わってから
食べてたらいいでしょ。
あ、ちょっと香織さん
こっちきてちょうだい。
結婚式以来
ご挨拶できてない方がいるから
一緒にご挨拶しましょう。」
香織は言われるがまま
克子に連れられて、
御座敷に向かった。
おじさん
「おー。お嫁さん、
お久しぶりだねー。」
だれー。
結婚式で一瞬会った人の名前を
しかも1年越しに
思い出すのはとても困難だ。
義母克子
「その節は本当に
ありがとうございました。
ほら、ご祝儀のお礼も
ちゃんとね、香織さん。」
香織
「あっ、
ありがとうございました!」
って、そのご祝儀。
1円も、香織の手元には
届いていなかったので
誰からどのくらいいただいのか
全然わからない。
だけどそれは
結婚式にかかる費用は
ほぼこの家が出してくれたので
なにも不満はなくて
会場も引き出物も
全て決められた状態ではあれど
ドレスは選ばせてもらったし
その会場が本当に素敵だったので
そこは感謝しきりだった。
義母克子
「いやね、
もう最近の若い子たちは
自分たちでなにも
決められないから
全部私が用意してね、
お食事とか色々と
本当に大変だったわー。」
と、この結婚式について
武勇伝のように
克子劇場が始まる時間だけは
とてもめんどしんどかったけれど。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」