主人公 香織 ・・パンダの中学時代からの友人。
27歳の時、老舗割烹料理屋の次男坊と結婚した。
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私が27歳の時、
つまり10数年前、
大阪の老舗割烹料理屋の
次男坊と結婚した
親友の香織。
結婚式での彼女は
幸せそうで、
キラキラ輝いていた。
それからあっという間に
5年の月日が経過した。
以前のように、
気軽に行き来は出来なくなったが
それでも時々は
連絡を取り合う中で
久しぶりに香織と
東京で会えることになった。
たまたま仕事で、
こちらに来たのだ。
私
「わー！久しぶり！
全然変わらないねぇ。」
旧友というのは、
逢えない月日が多少あっても
すぐにその時代に戻れる
ありがたい存在だ。
それから私たちはしばらく
積もる話をしながら
盛り上がっていたが
そういえば普段は
よくお酒を飲んでいた香織が
あまり飲んでいないことに
気がついた。
私
「香織、最近はあんまり
お酒飲まなくなったの？」
香織
「あぁ、うん。
なんか色々あって
こういう時に少し飲む以外は
普段は全く
口にしなくなっちゃった。」
私
「色々？」
元々香織は、
お酒の好きな子で
彼が料理屋の息子で
お酒に詳しいのが嬉しいと
結婚前はよく話していた。
そんな香織が
飲まなくなるなんて
不思議だったが
それ以上突っ込んで聞くべきか
やめるべきか迷っていた。
香織
「あぁ…うん、なんかさ
これまで近しい家族にしか
あまり話してなかったんだけど
普通に聞いて欲しいから
重たい空気にならないでね。」
私
「ん？」
香織
「心配かけたくなくて
誰にも言わなかったんだけど…」
私
「うん」
香織
「私さ、不育症で…」
私
「不育症？」
この当時の私は
まだ結婚や出産などは程遠く
妊娠・出産にまつわる
知識も少なかったため
ただただ
聞くことしか出来なかった。
香織
「妊娠はするんだけど
どうやらお腹の中で、
赤ちゃんが育ちにくい
体質みたいで…」
私
「……」
香織
「この4年くらいの間にね、
２回妊娠して、
２回だめだったの‥」
聞けば香織は、
１度目の妊娠の時には、
流産を経験して、
２度目の時は
妊娠して25週目も近づいた時に
お腹の中で赤ちゃんの
心臓が動いていないことが
わかったそうだ。
香織
「１度目の妊娠がわかった時は
嬉しくてさ、
家族中みんなに知らせたんだけど
２回目の時は怖くてもう、
夫と、私のお母さんにしか
打ち明けてなかったの‥
だけど流石に
そろそろ伝えてもいいかなって
そう思った矢先だったから
その時は結構辛くて…
それから妊娠するのが
怖いって気持ちと
だけど諦められないって気持ちと…」
私
「そっか…
そんなことがあったんだ…
…そっか…
大変だったんだね…」
どう声をかけたらいいか
全然わからなかった。
香織
「あぁ、ごめんね。
そんな顔しないで。
しんみりさせちゃって申し訳ない。
勿論これからも
ちゃんと治療を受けたりして
頑張るつもり。
そうじゃないと…」
私
「ん。そうじゃないと？」
香織
「お義母さんが、
ややこしいから。」
私
「ぎょ。」
そうです。
この物語の軸は、
香織ちゃんの
不育症問題ではなく
（とはいえこの先もう少し
この辺りも書きたいと思いますが。）
老舗料理屋の女将である
義母との
嫁姑問題と
それを取り囲む人たちの
すったもんだな、
そんなお話なのです。
皆様、今回のお話も
ボリュームあります。
私の語彙力で
どこまでお伝え出来るかわかりませんが
シーズン11、始まります。
どうぞお付き合いください。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」
シーズン10 百合子ちゃんの芝生 「運命の人の本性は。」
