主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
うさこを抱きしめながら
百合子ちゃんは泣いて泣いて、
どうして自分が
こんなことになったんだろう。
そんなことを考えていた。
ブログでは、
彼の最悪な部分だけを
ピックアップしてきたが
彼の本性が本当の意味で
ちゃんと露呈してきたのは、
既婚者とわかり、
その後同棲してからだった。
付き合ってからの２年間
当時の百合子ちゃんと
彼の家の距離は、
電車にすると1時間の距離があった。
しかし待ち合わせに遅れることは
一切なくて、
帰りも本当に毎回何時であろうと
車で送り迎えしてくれた。
百合子ちゃんの家で
その日のサヨナラを告げて
それから1時間後彼が家に着くと
「家に着いたよ」と連絡が来て、
その後お互いが
寝るまでLINEでのやり取り。
付き合い初めだけでなく、
ずっとそうだった。
翌日が休みの日は
泊まりがけだったが、
仕事の日ですらこんな調子で
２年間の間に行った旅行は
なんと１８回。
全ての支払いを彼が行い、
花束やプレゼントの数々。
この裏で、借金があったなんて
そして既婚者だっただなんて
当時の百合子ちゃんは
疑う余地などなくて、
同棲後の彼が本当に
同一人物なのか
出ていく日が決まり、
別れを納得しているその時でも
百合子ちゃんは
信じられなかった。
あんなに幸せだったのに。
誰か嘘だと言って欲しい。
そんな時期の記憶や、
入院時の彼の対応とのギャップが
同棲後の百合子ちゃんを
最も苦しめた。
そういえば、
当時サイコパス男が
あまりにも毎回
ご馳走してくれたり、
プレゼントをくれるので、
百合子ちゃんも彼に
何かしたいと考えて、
ある日
浴衣のセットをプレゼントした。
それは、
夏には一緒に浴衣を着て
花火にいきたいねと
話していた際に
彼は浴衣を持っていないと
言っていたからだ。
ある日、
誕生日でもなんでもない日に
彼に渡すと、
彼は急に泣き出した。
百合子ちゃん
「え？」
まさか泣くとは思わなかった。
百合子ちゃん
「えっと…どうしたの？」
サイコパス男元くん
「ありがとう。
ほんまにありがとう。。
こんなことしてもらったん、
初めてや。めっちゃ嬉しい。
俺、百合子と出会えて
ほんま良かった。
アプリでの出会いなんて
全然信じてなかったけど、
あるんやなぁ。。」
百合子ちゃん
「こんなことで
そこまで喜んでくれるなんて
こっちが嬉しいよ。」
サイコパス男元くん
「うん、あの時勇気出して
登録して良かった。
俺と出会ってくれてありがとう。
俺は百合子と出会って
初めて本当に
人を好きになれた気がする。
幸せやな。」
百合子ちゃんはそんな彼を見て
やっぱり今まで
家族の愛情は受けられず
育ってきたかもしれないけれど
だからこそこれからはずっと
自分が彼を
大事にしてあげたいと思っていた。
ただ、この浴衣を見ることは
この時以外なくて
あとで問い詰めたら、
百合子ちゃんがあげたものは、
全て会社の倉庫に
置いてあるとのことだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」