主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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元奥さんは、
サイコパス男との結婚生活の中で
何度か離婚を切り出したが
それが叶わず、
ある日突然この男の方から
離婚したいと言われた。
私
「それで
離婚を切り出されて
ホッとした感情ですか？」
元奥さん
「そうですけど、
（いっつも離婚を切り出してたんは
お前なんやから、
慰謝料払えよ！！）
って言われて。
もうなんか、笑えました。」
え。
は？
私
「あの、慰謝料、ですか？」
元奥さん
「はい。そうです。
でも、あいつはそういう
支離滅裂なことしか言えない
病気なんで。
私はその時
別れてくれるんならもう
100万円くらい安いと思って、
払おうとしたんですが、
その当時私は
もう貯金がなかったんで
姉に話したら
さすがに姉が、
弁護士連れて乗り込んできて
詳しい内容は
長くなるので省きますが
それから私を連れ戻して
争う手前で
あいつが離婚届持ってきて
終わりました。
彼は、強いものに
弱いですから。」
私
「そんな…
わけのわからない…」
元奥さん
「はい。
通常なら
あいつの携帯でも調べて
浮気相手を突き止めれば
慰謝料を取れるのは
私の方ですよね。
でもそんな
当たり前のことが
すぐに通じる相手じゃないし
もう、疲れたんです。
離婚届を渡された時
ホッとして涙が出ました。
あいつの中では
自分から私を捨てたと
そう思ってるんでしょうけど
でもある意味好都合でした。
それより今がもう穏やかなので、
それでもう十分って
今は思えてます。
憎しみを向けるだけ、
無駄な相手でした。」
あぁ、このことを早く
百合子ちゃんに
伝えなければ。
これでいくつかの
辻褄が合わず
百合子ちゃんが
思い悩んでいたことが
少しは解消されると思った。
だからってそんなことで
百合子ちゃんの心についた
深い傷が
消えるはずはないのだけど・・・
それからいくつかのことを
元奥さんと話した後
私
「突然のお電話でしたのに、
色々話してくださって
ありがとうございました…」
元奥さん
「いえ…
とにかくもうあいつとは
早い段階で
関わりを絶たせた方が良いです。
口がうまくて、
優しい時のあいつは
これが本来の彼じゃないかと
錯覚してしまうので…」
こうしていくつか話して
電話を切った。
不思議なことに
彼のことをあいつと呼んだり
起こった出来事を
淡々と話しながらも
暴言や荒い言葉は
出てこなかったように思う。
やはりこの手の男は
ちゃんと相手を選んでいる。
きっと私のような
てやんでぃこんちくしょう
みたいな女は（どんな女だ。）
選ばないだろう。
◆
その日私は、
元奥さんから聞いた言葉を
百合子ちゃんに
電話で全て話した。
百合子ちゃんは
絶句し、また泣いていた。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」