主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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サイコパス男と
別れることが決定して、
私は百合子ちゃんに
奥さんへ連絡を取ってもいいかと
お伺いを立てた。
私
「勿論百合子ちゃんの名前は
絶対に出さないし、
変な感じになりそうだったら
早めに話は切り上げるから
全然お役に
立てないかもしれないけど。」
百合子ちゃん
「ありがとう…」
さぁ。
とはいえ、パンダよ。
なんて切り出す?
……考えても仕方ない。
ミキの夫の
不倫相手に電話をした時は
正々堂々と
自分の電話番号を通知してかけた。
けれど今回は、
もしもまだ元奥さんが
サイコパス男と繋がっていて、
私に電話がかかってきたら
…それだけなら別にいいけど
百合子ちゃんに
迷惑がかかったら本末転倒だ。
その為私は、
必殺、非通知設定!
で、電話をかけてみた。
普通は出ないかな。
出るのかな。
夜のお勤めだった奥さんなら
お客さんからの
電話もあっただろうし
こういう電話も
もしかしたらら出…
サイコパス男の元奥さん
「はい。」
出た。
すぐに出た!
(かけたの私。)
無駄にドキドキする。
私
「あの…田中と申します。」
違うけど。
私、田中じゃないけど。
何も考えてなさすぎて
少し言葉に詰まった。
私
「非通知設定で
大変申し訳ありません。
(まじめ。)」
サイコパス男の元奥さん
「もしかして…
元のことですか?
弁護士?」
私
「え…?」
たった2回のラリーで
あの男のことだと察するあたり
さすが元奥さんだ。
私
「…あの、どうして
そう思うんでしょうか。」
サイコパス男の元奥さん
「なんか昔も
似たような電話があったんで。」
そうなの?
私
「いえ、弁護士とか
その類のものではありません。」
サイコパス男の元奥さん
「じゃああなた、今の彼女?
私あいつとはもう
離婚してるって知ってますか?」
雰囲気的に、
すぐに電話を切りたいような
そんな感じではなかった。
これなら話せる。
なんとなく
そう思った。
私
「あ、いえ
彼女ではありませんが
知り合いというか…。」
サイコパス男の元奥さん
「あ、そう。
それで、用件はなんですか?
最初に言いますけどあいつの
借金の肩代わり
って言われても
無理ですから。
もう関わりないから。」
ほー。
私
「……。
お金の話ではありません。
急なお電話で
大変申し訳ないのですが
その彼のことで
いくつか伺いたいことがあって、
お話出来ますか?
その件で何か
ご迷惑をおかけするようなことは
絶対ありませんから。」
サイコパス男の元奥さん
「あいつに連絡しないって、
約束出来るなら。」
それはこっちも
助かるYO( ´Д`)
よく考えてみたら
急に知らない女から
電話がかかってきて
これだけ話せるのは、
元という男の
共通点があるからだろう。
ミキの夫の不倫相手に至っては
私の携帯番号の着信を見て
掛け直してくれたくらいで。
やはりなにか、
感じるものが
あったのだろうか。
たったこれだけの会話だけでも
奥さんがあの男に対して
私は新しい女(百合子ちゃん)が
突然現れたことで
無理やり引き離された!
という感じは
一つも見受けられなかった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」