主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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ご両親に、
彼と別れたことを告げる。
そのことに、
百合子ちゃんはとても
苦しんでいた。
ご両親だって
百合子ちゃんを愛している。
そのことが十分わかっている
娘の立場として
男に傷つけられたという自分を
見せたくなかったのだと思う。
私もその気持ちは
とてもよくわかる。
親には自分が
元気で幸せに暮らしていると
そう思ってもらいたい。
実際に親になってみたら思うのは
我が子が傷つき、悲しんでいたら
どんなことをしても
子供を守りたいと思うものだけど
子供も同時に
親を想うのだ。
私は百合子ちゃんから
その気持ちが強く伝わって
涙が出そうだった。
コロナの影響で
内見も思うように行かず
うさこちゃんのために
ペット可の物件を
探さなければいけない。
実家には、コロナ禍の今、
お父さんの持病が心配で
帰ることは現実的ではない。
だけどもう、
あまり猶予はない。
そんな中で百合子ちゃんは
なんとか母親に
別れた事実だけを
胸が詰まる思いで
伝えることになった。
百合子ちゃんのお母さん
「あんなに仲良かったのに
どうしたの？
もう一度
考え直すことは難しいの？」
百合子ちゃん
「ごめんね、お母さん…
もう、無理なの…」
百合子ちゃんのお母さん
「わかった…
理由が話せないほどの
よっぽどの何かが
あったんだね…」
理由を話さない百合子ちゃんに
お母さんはそれ以上
無理して話させようとはしなかった。
多分、百合子ちゃんのお母さまも
何かあると
思わないわけはなかったはずだ。
けれど黙って
それ以上
詮索しないでいてくれたこと。
百合子ちゃんは
ありがたくて、申し訳なくて
その想いが伝わって
涙が止まらなかった。
その報告をしてから
数時間後。
今度はお母さんの方から
電話がかかってきた。
百合子ちゃんのお母さん
「百合子。
さっき、引越し先が
なかなか見つからないって
言ってたわよね。」
百合子ちゃん
「うん…次の休みの日も
内見に行くことは
一応決まってるんだけど、
なかなか思うように進んでない…」
百合子ちゃんのお母さん
「あのね、今私の友達に
連絡してみたのよ。」
百合子ちゃん
「友達？お母さんの？」
百合子ちゃんのお母さん
「そう。あのね、
そういえば私の友達に
ご家族で
マンション経営をしている人がいてね。
空き家がないか
聞いてみたのよ。
そしたら、いくつかあるって。
ちょっとその人から
話聞いてみない？」
百合子ちゃん
「お母さん…」
百合子ちゃんのお母さん
「本当なら、
今すぐ帰っておいでって
行ってあげたいけど
実家に戻るんじゃあ
お父さんの持病はもとより
百合子の職場まで
2時間くらいかかっちゃうでしょ。
通勤に時間がかかる方が
お母さんは心配だからね。
お母さんは百合子が
元気なのが嬉しいんだからね。」
百合子ちゃんはまた
涙が止まらなかった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」