主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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その日電話を切ってから
私はとてもモヤモヤしていた。
すぐに逃げてと言われても
現実的に百合子ちゃんは
毎日仕事もしている中で
明日即新しく引越し先が
見つかるわけでもない。
お金がどうこうということじゃなく
コロナ禍の中、
県外に住む実家のお父様には
少し持病があったりもするそうで
すぐに実家に戻るわけにもいかず
勿論友達の家にも
1ヶ月単位で行くわけにもいかない。
彼が百合子ちゃんに
手を出していなかったことが
幸いだったが、
このまま話を聞いていただけで
いいのだろうか…
…。
◆
翌日、私は百合子ちゃんに
電話をかけた。
ノープランで。
(出た。必殺ノープラン。)
百合子ちゃん
「パンダちゃん
プログ一気に読んだよ。」
それから百合子ちゃんは
一旦客観的に
自分を見れたこと
こんな酷い奴は
彼だけだと思っていたけれど
全く同じような発言をする男が
他にもいるんだと
話してくれた。
私
「百合子ちゃん。
百合子ちゃんはもう
彼と別れるって
決めたんだよね?」
百合子ちゃん
「うん。決めた。
今引越し先を探してるの。」
私
「そっか。それでさ、
百合子ちゃんはどうしたい?
とにかく別れることが出来たら
それでいいの?
それとも彼に対して
何か…考えてる?」
私はなんならもう、
今すぐ彼本人に会って
どうにかこうにかしたいけど
この手の男は私が会ったとて
どうにもならない
思考の持ち主であることも
知っている。
それにまずは
百合子ちゃんの気持ちが
大切だ。
百合子ちゃん
「私は…なんだろう…
この家を出たらもう、
関わりたくない…かな…
それにやっぱり
今彼に何か反論して
親に危害を加えられたらって思うと
怖いんだよね・・」
確かにそれもそうだろう。
変にこの男に
ずっと関わり続けることより
心が囚われることより
何も関わらないことが
今は一番いい。
でも…
モヤモヤする。
なぜかパンダ、
モヤモヤするよ。
私
「…あのさ、百合子ちゃん。
これまでの彼との会話って
録音してたりするの?」
百合子ちゃん
「うん、それは彼が
既婚者だって聞いた時から
奥さんに訴えられたり
…わからないけど今後
何かあった時のために、
LINEのやりとりのスクショとか
会話の録音はしてた。」
私
「なるほど…」
だけど今の百合子ちゃんは
彼と戦う気力など
全くなさそうだ。
やっぱりこのままそっと
彼からとにかくうまく
離れられたら、
それでいいものなのだろうか。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」