主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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A先輩とその友人との旅行に
一緒に行くかと
誘われた百合子ちゃん。
行けばきっと
あの家具事件のA先輩が
どんな人となりかわかる。
それに、彼の知り合いと
初めて会える。
百合子ちゃんは
そう思って承諾したが
宿泊先が
1人1泊5万円のホテルと知り
百合子ちゃんは焦った。
百合子ちゃん
「ねぇ、A先輩に
(彼女に話したら
ちょっとその金額は難しい)
って言われたから、
自分たちが泊まるところは
自分たちで
手配しますって言ってよ!」
サイコパス男元くん
「そんなこと
今さら言えるわけないやろ!」
百合子ちゃん
「どうして?
旅行には一緒に行くわけだし
別に部屋が
一緒なわけじゃないでしょ?
近くにだって
ホテルならいくらでもあるよ!」
サイコパス男元くん。
「そんなこと出来るか!
一緒のホテルやから
意味があるんやろ!
あぁ、あとそういえば
今俺金ないから、
旅費は申し訳ないけど
立て替えて
欲しいねん。
後で俺が全部払うから。」
ふぁい?
これまた、
なにをゆーてますの??
百合子ちゃん
「は?!お金ないなら
行けないじゃん!
じゃあなんで
行くなんて言ったの?
それなら私は行かないよ。
行かなくていいよ!」
うん。そうだね。
お金がないなら
行かない。
っていうか、行けない。
それが世の常。
ってか当たり前。
ない袖は、ふれない。
しかしこの男は違う。
サイコパス男元くん
「は?今さら
何言うてんねん。
もう行くって
言ってんねんから。
予約もお願いしてるんやで?」
百合子ちゃん
「なんで?
どうして断れないの?」
あぁ、また
自分の見栄のためか…
それで先輩には
断れないんだ…
A先輩と彼は
とにかく年収が全く違う。
それなのに、手持ちもない彼が
なぜ身分不相応のところに
泊まろうとするのか。
今まで、
同棲前に付き合っていた2年間
2ヶ月に1回は
旅行に行っていた。
海外にも行った。
その時元くんから、
お金の無心の話をされたことなど
ただの1度もない。
やっぱり目の前のこの人は
過去のあの人とは
別人なんだ。
むしろ今が現実。
結局百合子ちゃんは
借用書を作り、
全ての旅費を立て替えた。
ここまで色んなことがあって
責められ、優しくされ
その度に百合子ちゃんは
何故か彼を許してきた。
彼が奥さんと離婚した時、
人の不幸の上に生きていくなら
多少のしんどさはもう
覚悟をするしかないと
思ったからだ。
そして、
誰にも相談出来なかったことで
彼と一緒にいればいるほど
自分が悪い。
こうなったのも自分のせい、
思考がどんどん
そう傾き始めている思考を
止められなかった。
しかし税金の滞納や
借金の数々。
これはどう考えても
自分のせいじゃない。
私は、
このままでいいわけがない。
百合子ちゃんはようやく
この頃から
この長い長い
サイコパス男からの洗脳に
少しだけ、
ほんの少しだけ気付き始めていた。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」