主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
半ば強引に飼い始めた
ウサギの話を
私に教えてくれる百合子ちゃん。
百合子ちゃんはこの
子ウサギのことが可愛くて可愛くて、
仕方ないらしい。
けれど
百合子ちゃん
「パンちゃん聞いてよ!
元くんもさ、もちろん
可愛いがってはくれるんだけど、
世話は全部わたしで、
何にもしてくれないんだよ!」
私
「…そーなの?
なんだかそれ、
すっごい子供みたいだね。
お母さんに、
ペット飼って飼ってっていうのに
いざ飼い始めたら
遊ぶけど、世話はしない、
みたいな。
ケージを勝手に買ったってことで
子供より少し
たちが悪い気もするけど。」
人の彼氏に対して
私もハッキリ言ってしまうが。
百合子ちゃん
「こないだもさ、
(あ~、百合子!ウサコが!)って
汚れ物の処理とかを、
離れてる私を呼ぶだけで
自分で拾おうともしないの。」
私
「へ~。…まぁそんな男の人
いるもんね。
でも百合子ちゃんって結構
なんでもしてあげたいって
タイプだから、それが
許せる人なら
いいんだろうけど…
でもそれで子供が出来たら、
育児手伝ってくれるのかなって
ちょっと不安にならない?」
百合子ちゃん
「ほんとそれ!
なんか頼りないよ。
あとさ、家事も全然
やってくれないんだよね。
俺は昭和の男だからって
開き直っちゃってさ!」
私
「え?だって彼、弟さんと
二人暮らしだったんでしょ?
それなら多少は家事くらい
やれるんじゃないの?
弟くんが全部
やってくれてたとか?」
百合子ちゃん
「え?あ、あぁ
そうだね、本当だよね~!
やればできるはずなのにね!
なんか全部わたし任せでさ。」
なんと百合子ちゃんは
ここの時点では私には、
彼の悩みはまだ
言えなかった。
この時百合子ちゃんは
彼のことは
明るく笑い飛ばせる範囲の
愚痴しか話さなかったのだ。
後から百合子ちゃんに聞くと、
このタイミングでは最初から
自分の悩みや彼の秘密を
誰にも打ち明けるつもりはなく
やはりもう墓場まで
持っていくと決めており
このことで
周囲を巻き込むことは出来ないと
思っていたそうだ。
この時に、
私が百合子ちゃんの話を
聞いてあげていたとしたら
もっとなにかに
気づいてあげられていたら
もう少し早くに
目を覚ましてもらうことが
出来ただろうか。
それともここまできたら
話しただけでは
なんとも出来なかっただろうか。
百合子ちゃんはこの後も
仲の良い友達を
何人か家に招いてはいたようだが
決して自分の悩みを
打ち明けることはなかった。
けれど私は思う。
もしかしたら百合子ちゃんは
言えなかったのではなく
言わなかったのではないか。
なぜなら、
彼との別れは
選びたくなかったのだ。
きっと私や親に話したら
引き離されることを
心のどこかで
悟っていたはずだ。
いやきっと、
私なんかがしゃしゃりでたら
別れろこのヤロー!
となるのは目に見えている。
もしくはこの時点なら
別れさせないにしても
もう少し彼のことを色々と
すぐに調べ始めたと思う。
◆
それから1ヶ月も経たないうちに
また
事件が起こった。
ーーーーーーーーーーー
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」