主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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同棲を開始して
3ヶ月ほど経過した頃、
私は百合子ちゃんの新居で
久しぶりに会うことになった。
そして
そのリビングにいた
可愛らしいウサギちゃんのお話。
ある日の休日、
突然に届いたケージ。
私
「…ある日突然？
百合子ちゃんに相談もなしに
元くんが買ったものが
届いたってこと？」
百合子ちゃん
「うん…そうなの。
うちのマンションさ
そもそも犬とか猫とかの
ペットは禁止なのね。
だけど元くんが、
（ウサギなら大丈夫やろ！
めっちゃ小さいウサギで
可愛いねんて！
な、今後の休みに
ペットショップに見に行こうや！）
って、もう飼う気満々で…」
私
「な、なるほど…
だけど何の相談もなしに
ケージが先に届くってさ
結構彼、強引だね。」
すでに、
うっすら引いている私。
百合子ちゃん
「そうね、彼は少し
そういうところあるから…
それでね、私一旦元くんに
ペット飼うのはしばらく
反対だって言ったの。」
私
「うんうん。」
百合子ちゃん
「私も動物は大好きだけど、
ペット可物件ではないし、
何よりまだ
自分たちが結婚していないのに
飼うつもりはないよって。」
私
「あ、そこまでは
ちゃんと言ったんだね？」
百合子ちゃん
「うん。だってさ、
仮にだけど、
結婚前にもし別れでもしたら
どうなるのかって思わない？
どっちが引き取るの？
って話になっちゃったら
可哀想でしょ。
だからそんな無責任に
命を預かれないじゃん。」
私
「確かに、本当そうだね。」
で、もしかしたら
結婚しない可能性とかが
あったりするの？
と、この時聞けばよかった。
百合子ちゃん
「だからね、元くんには
（もう少し経ってからにしない？
まずは結婚してから、
それから飼いたいよ。）
って言ったの。」
私
「そしたら？」
百合子ちゃん
「（だって、俺と結婚するんやろ？
するのが決まってるんやから、
今飼っても一緒やろ？
結婚しないって選択肢なんか
あるんか？）って」
私
「な、なるほど…」
何も知らない私はその時
百合子ちゃんのその話は
2人は本当に結婚するよという
意思表示にも思えたので、
ただひたすら頷きながら
話を聞いていた。
百合子ちゃん
「結局それで私も、
流されてしまってね
ウサギ専門の
ペットショップに行ったの。」
私
「…それで、実際に見たら…」
百合子ちゃん
「うん。そしたらさ、
こんな可愛い
ウサギの赤ちゃんたちがいるんだよ。
もう可愛いくて可愛くて
メロメロになってしまって。
2人揃って同時に、
絶対にこの子がいい！
ってなったの。」
百合子ちゃんの話を聞きながら
ケージの中を覗き込むと
可愛いお目目が
こっちを見ている。
私
「なるほどねー。
でもこんなに可愛いんだもん
結局飼えることになったのは
よかったんでしょ？」
百合子ちゃん
「うん、そうだね。
どんどん愛着が湧いて
もう本当に愛しくてしょうがない。
でもさ…」
百合子ちゃんがふと
伏せ目がちになった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」