主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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同棲してみて始めて
家事は一切しないとわかった
この嘘つき男。
それでも百合子ちゃんは
これは自分で選んだ道、
自分で選んだ人だと
自分を奮い立たせ、
自分さえ頑張れば
あとは争いもないからと
文句も言わず、
日々の家事をこなした。
しかし、
夕食時にも、不穏な空気が。
同棲を開始した日から
料理が好きな百合子ちゃんは
愛情を込めて、
手料理を作った。
彼は好き嫌いがほとんどなく
ダメなものは
パクチーと
ココナッツミルクくらい。
しかし付き合っている時
百合子ちゃんが
（私、タイ料理が食べたいんだよね）
と言うと
「ええよ」と笑顔で答えてくれて
すぐにタイ料理屋さんに
連れて行ってくれたりもしたそうだ。
料理好きな百合子ちゃんにとって
付き合う相手に
好き嫌いがないというのはありがたく
一緒に住む前は、
「毎日百合子の
手料理が食べたいな～
そんな生活幸せやろなー」
とも言っていた。
んが。
わずか数日で
夕食時のこの男の
反応が薄い。。
せっかく作ったのに
喜んでくれている気配もない。
百合子ちゃんは自分でも
料理には自信があったし、
友達の間でも評判だった。
今までの彼氏も皆
美味しいすごい！
と言って食べてくれていたのに。
その日の夕飯は
鶏肉をソテーしたり
手の込んだ副菜を作った。
百合子ちゃん
「ねぇ、口に合わない？」
あまりにも箸がすすんでおらず
百合子ちゃんは気になって
聞いてみた。
宇宙人元くん
「いや、そんなことないけど…
俺、基本、肉は
牛しか食わんから。
鶏肉は皮が無理やし、
豚肉は脂身が食べれんねん。」
へ？
あ、
はい？
２年以上付き合ってきて
ハジメテ
キキマシタケド？
確かに
思い起こせば百合子ちゃんは
この男とトンカツ屋さんに行くと
ヒレしか頼んだのを
見たことがないようだし
お弁当を作って出かけた時、
そこには唐揚げをたくさん作り
持って行ったけれど
美味しい美味しいって食べていた。
え？あれは何？
まぼろし？
蜃気楼？
それ以降、
カレーでもなんでも
ビーフ以外の肉は
うけつけてくれなかった。
しかもどんな料理の時も
宇宙人元くん
「俺、味噌汁は
毎日飲みたいから必ず出して。」
その日から、
洋食だろうとカレーだろうと、
どんな料理の時も
味噌汁をつくる毎日になった。
…奥さん。
この男が
毎日外食をして帰ってくるのは
とっても楽だっただろうな。
百合子ちゃんは
あれだけ好きだった手料理が
苦痛になっていた。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」