主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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百合子ちゃんと
宇宙人元くんが
一緒に暮らし始めて1ヶ月。
彼が好きだという映画を
自宅で見ていた時
少しうたた寝をした百合子ちゃんを
起こしてまで
嫌味をいうこの男。
君は5歳児なのか?
ママが先に寝ちゃって
さみちかったの?
と。言いたいのは私。
(5歳の子の方が聞き分け良かったり。)
百合子ちゃんは大病から復帰して
以前より身体が
疲れやすくなっていて
言い返すこともしんどい。
当たり前だが
毎日一緒に暮らしていると
体調が万全とも限らない日だって
いくつもあるのに
こんなことで揉めたくはなかった。
ある日。
百合子ちゃんは
仕事がかなりハードだったので
疲れ果てて帰ってきて
少し1人で
ホッと一息つきたかった。
正直、
あまり多くの言葉を
発したい気持ちではなかった。
宇宙人元くん
「なぁ、これとこれ
どっちがええと思う?」
百合子ちゃん
「あぁ…うん、
どっちも良いと思う。」
返事はしたが、
あまり乗り気ではなかった。
すると
宇宙人元くん
「は?なんなん、その態度。
こっちが話しかけてるのに
生返事みたいな。」
百合子ちゃん
「え?あぁ、ごめん。
今日はちょっと疲れてて。」
宇宙人元くん
「いや、
そんなん知らんし。
こっちの方が
遅く帰ってきとんねん。
疲れてるか知らんけど、
一緒に住んでるのに
俺に気遣いが足らんやろう!」
そう言われて
百合子ちゃんはまた
百合子ちゃん
「……ごめん。」
謝ってしまう。
いやいや。
お前の言い分の方が
知らんし。
俺に気遣いが足らない?
え?
じゃあお前が目の前で
疲れている百合子ちゃんに
気遣えないのはなぜ?
しかし百合子ちゃんは
言わなかった。
だって言い返したら
この男はもっとしつこくなる。
そんなことより
今日は本当に身体がきつい。
もうこれ以上
ほんっとうに話したくない。
百合子ちゃんは
言葉をぐっと飲み込んだ。
これまでも百合子ちゃんは
過去に彼氏と同棲した経験も
何回かはあるが、
疲れている時はお互い様で、
そっとし合えば良いだけのこと。
だからまさかこんなことで
俺に気遣いが足りない、なんて
そんな発言が出ることは
思いもよらなかった。
その後わかったことは、
この男は百合子ちゃんの
「疲れていて」とか
「疲れた」
という言葉に
過剰に反応するのだ。
百合子ちゃんがそう言うと
必ず不機嫌になる。
だからいつしか百合子ちゃんは
この男の前では
「疲れた」という言葉を
飲みこむようになっていた。
これは多分、
この男に限ったことではないが
付き合っている時と
同棲している時、
態度が違うような男は完全に
結婚するべきではない。
好きな気持ちが勝る時は、
きっと
我慢もできるかもしれないが
だけどやはりふとここに
立ち返らなければ
ならないと思う。
そこにはお互いの、
愛はありますか?と。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」