私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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ろくでなし男元くんが
実は結婚していたと聞いてから1ヶ月。
あっという間に
離婚が成立してからは
百合子ちゃんたちは
同棲に向かって
どんどん話が進んでいった。
ろくでなし男元くん
「物件のことなんやけど、
百合子が気に入りそうなとこ
いくつか見つけて来たから、
内見に行こう！」
元くんは離婚話と並行して
物件探しも進めていたようだ。
彼が見つけて来た物件は、
以前から百合子ちゃんが、
将来一緒に暮らすなら
こんな物件がいいと
そう話していた内容を
見事に満たしていた。
駅近で、広いキッチン
景色のいいバルコニー
理想どおりだったのに、
気持ちは浮かなかった。
色んなことが
百合子ちゃんの中で引っかかり
どうしても
心が晴れなかった。
それでも、
いくつか内見した中から
一番日当たりが良くて
明るい物件に決めた。
その日。
内見をした後、
近くのカフェに入ると
ろくでなし男元くんが
１枚の紙を差し出した。
ろくでなし男元くん
「なぁ、百合子。
俺はこれまで
百合子に嘘ばっかりついてて
心から反省してる。
これから色々、
ほんまに信用してもらいたいねん。
だから、これ」
百合子ちゃん
「…何？これ。」
よく見たら、
年収証明書だった。
そこには付き合っている
当初から言っていた
年収1000万円を超える額が
しっかりと記載されていた。
ろくでなし男元くん
「な、嘘やないやろ。
ちゃんと1000万円以上あるから
そこは安心して欲しい。
これから百合子のこと
幸せにするから。」
だけどあんなにも
大きな嘘をつかれていた。
百合子ちゃんはそれから
もう彼の何が本当で
何が嘘なのか
全く分からなくなっていて
この頃は疑心暗鬼にもなっていたので
それを察して
自分から見せたのか。
そうだ。
彼はもう、
離婚届を出したのだ。
自分のために。
それならいつまでも
このままではダメだ。
覚悟を決めたんだから、
前を向かなきゃ。
もう一度、
彼を信じるんだから。
百合子ちゃん
「ありがとう。
物件も探してくれて。
思ったとおり素敵だった！」
ろくでなし男元くん
「やろ？
めっちゃ探したんやから！」
楽しそうに笑う目の前の男。
百合子ちゃんは
この男の、その笑顔を
信じ続けてきた。
今更引き返せない、
そう思った。
◆
こうして予定どおり、
2人は新居に引っ越す日も決まったが
家具付きのマンションに
住んでいた百合子ちゃんも
マンションごと
別れた妻にあげたこの男も
家具がなかった。
そのため2人は一緒に
家具を買いに行くことになった。
ろくでなし男元くん
「インテリアは百合子が
好きなものを選べばいいからな。」
百合子ちゃん
「本当？えー、
どうしようかなー！」
前のマンションの家具が
備え付けだっただけに
１から選ぶのは久しぶりだ。
少し嬉しかった。
その時。
ろくでなし元くん
「あ、せやけどお金は
折半な。」
内容証明を見せて
お金は心配するな
そう言ったばかりのこの男が
好きなものを
選んでいいと言った矢先に
支払い間際で、
折半と言い出した。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。
シーズン9 紗子さんの芝生 「見て見ぬふりん。」