主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。マメで優しく束縛激しめ。
しかしその実態は、奥さんがいる中で
2年も百合子ちゃんを騙しているとんでもない男だった。
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詐欺男は奥さんに
離婚したら実家にでも
帰ったらいいと言い放った。
そして
詐欺男元くん
「悪いけど、離婚するまで
実家に帰ってくれるか？
俺はもう一緒に住むのは
無理なんや。
だけどこれ以上
ホテル暮らしもバカにならんし。
実家に帰って
親にも話してきたらええよ。」
そう言った。
奥さんはその日
それを素直に受け入れ
隣駅にある実家に帰ったそうだ。
だけどそんなこと
簡単には信じることは出来ない。
百合子ちゃん
「奥さんが出ていったって
あなたの話だけでは
全く信用できない。
本当に実家に帰ってるかも
怪しいと思ってる。」
詐欺男元くん
「ここまで来て、嘘ついて
何になるんや。」
いや。
ここにくるまでも
嘘ついて一体
何になったんだ？
百合子ちゃん
「嘘ついたのはあなただから
そんなこと聞かれても
全然わからない。」
それから夜になるとこの男は
信じてもらいたい一心で
毎日1人であることの証拠として
必ず電話をしてきた。
詐欺男元くん
「ちゃんと離婚に向かって
進めてるからな。
絶対待っててな。」
胸が痛かった。
奥さんに恨みなんてない。
なのに自分は…
そう思う反面
それでも百合子ちゃんは彼が
そこまで強行にでも
離婚を進めてくれたことに対して
やっぱり奥さんへの
気持ちはなかったのかも。
ちゃんと私は
愛されてたんだ。
そんな風に思うと、
ホッとしたりもした。
◆
それから数日
百合子ちゃん
「ねぇ、不思議なんだけど
奥さんのご両親から
連絡はないの？
家、近いんでしょ？
話し合いたい、みたいなこと
言われないの？」
詐欺男元くん
「連絡ないし、言われてない。」
百合子ちゃん
「結婚した娘が突然
離婚を突き付けられて
家に帰ったのに？
むしろ元くんの方から
話し合わないの？
無責任じゃないの？」
詐欺男元くん
「いや、別に
向こうの親からは
何にもゆーてこんし。」
百合子ちゃん
「そんな親いるの？
うちの親だったら激怒するよ。
ちゃんと理由を
聞かせてくださいって。」
詐欺男元くん
「あぁ、なるほどな。
それは、百合子の家みたいに
ちゃんとした家庭ちゃうからや。
元キャバ嬢やし、
親もちょっと
変わってるからな。」
変わってるのは
お前だけどな。
百合子ちゃんはまた
辛くなった。
別れようとしている
奥さんのことを
一度は結婚まで考えた人を
こんな言い方する男。
結婚ってなんなんだろう。
私って、
どこに向かってるんだろう…
詐欺男元くん
「なぁ、
百合子、会いたいねん。
もう限界や…
顔が見たい。」
そんなこと、
離婚が成立するまで無理だ。
だって今、
探偵をつけられてたら？
なんて
それより百合子ちゃんも
会いたかった。
カミングアウトから２週間。
ついに百合子ちゃんは
この男に
会ってしまった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。