主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。
マメで優しく束縛激しめ。しかしその実態は…
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カミングアウトから
一週間が経過した。
百合子ちゃんは詐欺師元くんと
連絡は取り合っていたものの、
会うことはしなかった。
出会ってから2年間で
一週間も合わなかったのは
この時が初めてだった。
本当なら今日は
弟さんに挨拶に行く日だった。
けれど本当は都内に
弟さんなど来ていない。
百合子ちゃんは
(一番気持ちが盛り上がっている
こんな時期に
急に会えなくなるのは
正直辛い、、、)
そう思っていた。
こんな嘘をつかれていたのに。
それなのに、
大好きな人と
こんな形で引き離されるなんて
そんなの嫌だ、、
だけどそんなこと、
思っていいわけがない。
あんなやつ・・あんなやつ・・
そんな自分の気持ちと
ひたすら葛藤を続けていたのだ。
それはそうだと思う。
こんな現実
簡単に受け止められるはずもないし
ここまで大好きになった人を
はいそうですかと
気持ちが切り替えられるなら
世の中こんなに
苦しんでいる人の人口は多くないはずだ。
百合子ちゃん
(私…どうしちゃったの?
これじゃあ今まで私が
全く理解できなかった
軽蔑さえしていた
『不倫だと知ってても
別れられない女』
みたいになってしまうじゃん…)
百合子ちゃんは毎日
仕事から帰ってくると即、
不倫、既婚者、
不倫を隠す
不倫、奥さん
など、不倫について
一心不乱に調べまくっていた。
裁判の話や
不倫探偵の話を読んで
勝手に知識だけは増えた。
そこで
証拠になることは残さないように、
「会わない」
「連絡は電話、文字に残さない」
ようにも気をつけていた。
だからこの1週間、
会わずに気をつけた。
さらに自分は全て
全く知らなかったということを
例えば奥さんが乗り込んできた時など
何かの時のために
証拠として残しておこうと、
肝心な内容だけは、
改めてLINEで元くんに確認していた。
「今は奥さんはいない。
バツ1独身だって言ってたよね?」
「アプリにも離婚(子供いない)
って書いてたよね?」
「一緒に住んでるのは
弟だって言ってたよね?」
「毎日のように私に
結婚しようって言ってたのは
元くんだよね?」
「うちの両親にも
友達にも会って、みんなに
もうすぐ結婚するって
言ってたよね?」
その答えを、
全て文字で残した。
さらに電話では毎日、
詐欺師元くんを責めていた。
あれは嘘だったの?
これは本当?
と、百合子ちゃんが
次から次へと思いつく質問に
全て答えていた彼の言葉は
真実であればあるほど
百合子ちゃんをさらに深く傷つけ
それでも二言目には
(だけどそれは
百合子を愛してたからや)
と、呪いの呪文のように言い続ける。
LINEでも彼は山ほど
「愛してるから結婚してな?」
「早く結婚しよな?」
を連発し続けていた。
この男の神経が
益々わからない。
だけどどこか、
その気持ちだけは
信じたいという気持ちが
百合子ちゃんにはあった。
だからこうして傷つきながらも
会う事を避けてでも
1つ1つ
答え合わせをしたくなるのだ。
百合子ちゃん
「そういえば、私。
元くんの会社に
お見舞いのお返し送ったよね。」
この辺りの話で
百合子ちゃんはまた
傷ついてゆく。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。