主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。バツイチ子供無し。
マメで一途で最高の人に出会ったと思った矢先
彼の激しい束縛癖が露呈し始めて…
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百合子ちゃんが闘病を開始してから
日に日に自分の体が
悪くなってゆくのがわかった。
いくら頑張りたい
乗り越えたいと思っても
苦しくて、悔しくて
毎晩涙が溢れてきた。
（もしかしたら私
もうこのままずっと
寝たきりの人生になるのかな…
それより、
生きていられるのかな…
やっと結婚したい人に出会えて
ずっと私の将来を
心配してくれてた両親のことも
やっと安心させてあげられるって
そう思ってたのに…
私は、私は…）
いろんな感情が湧き上がった。
しばらく、
自分の痛みや気持ちと闘うのが
精一杯だった百合子ちゃん。
もう心は、
結婚どころではなかったが
それでも元くんは、
毎日お見舞いに来てくれた。
嬉しかったが、
それが申し訳なくて
辛かった。
ある日のこと。
百合子ちゃん
「ねぇ、私さ…
この先本当に
どうなるか分からない。
障害者になるかも知れない。
明日生きてるのかも
わからない…」
両親の前では
気丈に振る舞っていたが
つい元くんの前で
本音が出てしまった。
元くん
「そんなこと言うたらあかん。
絶対に元気になる！
元気になってご両親に
花嫁衣装見てもらうんやろ？
俺この病気について
いっぱい調べたで。
完璧に治ってる人だって
たくさんおるやん。
もっといいことばっかり
考えなあかんねんで。」
百合子ちゃんは泣きながら
首を横に振った。
百合子ちゃん
「でもそんなの
いつになるかわからない。
まだ結婚する前だし、
今なら別れられる。
元くんだって
早く結婚したかったんでしょ？
それならもう、早く別の人を…」
元くん
「何言っとんねん！
誰でもええから
結婚したいわけやないねん！！
俺は何があっても
お前と結婚するって
ずーっとゆーてるやん！
色んなことがあって
全部自分のこと見つめ直して
それでも一緒にいたいって
思ったんやで。
百合子無しの人生は無理や！
絶対治るから
それまでずっと待ってるから！」
嬉しくて、心強くて
だけど本当に、切なかった。
普段なら
どれも手放しで喜べた言葉なのに
自分の未来が不安で
怖くて、たまらなかった。
翌日の午後。
百合子ちゃんの病室には
お母さんが
お見舞いに来てくれていた。
すると
百合子ちゃん
「元くん！どうしたの？
こんな時間に。仕事は？」
普段は仕事終わりの
面会時間終了前に
駆けつけてくれていた元くん。
しかし今日はいつもより
数時間早い。
見ると、満面の笑顔で
手には大きな
フルーツバスケットを持っていた。
元くん
「これ、うちの会社のやつからや。
みんなにな、
百合子のこと話したら、
彼女がそんな大変な時なら
なるべく側に
いてあげてください。
って
しばらくは毎日
早退する許可ももらったから。」
それから元くんは本当に
毎日1日も欠かさず
病院に足を運んでくれるようになった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。