主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。バツイチ子供無し。
マメで一途で最高の人に出会ったと思った矢先
彼の激しい束縛癖が露呈し始めて…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
元くんの誕生日に
よりを戻してから3日後。
その日
百合子ちゃんはいつも通り
仕事をしていた。
しかしなんだか
朝から身体に異変を感じる。
なんとなく全身が重だるく
ところどころ痺れているのだ。
けれどその時は
まさか何かの病気とまでは思わず
疲れでもたまってるのかと
次の休みの日にでも
病院に行けばいいと思っていた。
夜。
百合子ちゃん
「なんかさ、今朝からずっと
体調悪いんだよね。」
元くんにLINEをしたら
かなり心配してすぐに、
会社まで車で迎えに来てくれた。
元くん
「ずっと側におるから
辛かったりしんどかったら
すぐに教えてな。」
元くんは優しく
朝まで一緒にいてくれた。
早朝
百合子ちゃん
「元くん…なんか、痛い…」
体験したことのない痛みを感じ
百合子ちゃんはその場から
動けなくなってしまった。
元くんがすぐに
救急車を呼んでくれて
近くの病院に運ばれたあと
鎮静剤で一旦痛みが落ち着かせ
直ぐに様々な検査をした。
その間に都内に住む
両親に連絡を入れておいたが
診断の結果百合子ちゃんは
即、大きな病院に
移らなければならないほど
緊急性の高い状態だった。
診断は、まず1人で聞いた。
病名は伏せるが
百合子ちゃんはこの時
何十万人に1人という確率の
難病を発症したことがわかり
完治するかもしれないし
もしかしたら将来的に
車椅子で生活をするような
障害が一生残る可能性が
あるかもしれない。
そう告げられた。
怖かった。
これまで百合子ちゃんは
一度も入院を経験したことがなく
インフルエンザさえ
かかったことがなかったのに
病名を告げられて
あまりの恐怖に
その場で涙が溢れてきた。
放心状態で
診察室を後にすると
病院の廊下を歩きながら
仕事のことや将来のこと
明日のことさえ
何をどう考えたらいいのか、
どこから受け止めてゆけばいいのか
何も、
わからなくなってしまった。
百合子ちゃん
「あれ…」
診察が長くなるから
今日は帰っていいよと
伝えていたのに…
病室には元くんが立っていて
そしてそこには
百合子ちゃんのご両親が
駆けつけていた。
百合子ちゃん
「元くん…
もう、帰ってるのかと…」
同時に、お母さんの顔を見た。
お父さんが
どんな顔をしているのかは
この時はまだ、見れなかった。
なぜならこれから
病気の説明をすることも
とても辛かったし
これまで百合子ちゃんは
お父さんに彼氏を
一度も
会わせたことがなかったからだ。
お父さんは心配性で
幾つになってもまだまだ
娘のことが心配でたまらないので
父親に男性を会わせる時は、
結婚相手だけにしようと
昔からそう思っていた。
まだ病名を知らないお母さんは
百合子ちゃんの顔を見るなり
泣き笑いのような表情を浮かべ
優しく話しかけた。
百合子ちゃんの母
「百合子ちゃん、大丈夫?」
百合子ちゃん
「うん…」
この場でどう言えばいいか
わからなかった。
ーーーーーーーーーーー
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。