主人公…百合子ちゃん 37歳
私が２０代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。バツイチ子供無し。
マメで一途で最高の人に出会ったと思った矢先
彼の激しい束縛癖が露呈し始めて…
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ついに百合子ちゃんから
別れを切り出され、
普段は自分から
別れる別れる詐欺をしていたくせに
焦った元くんは
このLINEの謝罪攻撃と
百合子ちゃんの
マンション近くの駐車場で
夜な夜な待機する行為が
3日間続いた。
いや、
それってもう
ストーカー
ですやん。
私はそう思ったが
百合子ちゃんもさすがに
そこは同じ気持ちで。
待ち伏せされる可能性を考え
既読スルーのまま
毎晩友達と飲みに行き
無視をし続けた。
◆
百合子ちゃんが
別れを伝えてから
10日以上経過した。
この日は
元くんの誕生日だった。
相変わらず
「駐車場で待ってるから。」
と、もう4日も
無視し続けているのに
LINEには長々と
反省文が書かれていた。
百合子ちゃんの
大事な友達を
侮辱してしまったこと。
友達のことを
理解する努力をすると
約束したのに
出来ていなかったこと、
そして何より
百合子ちゃんのことを
愛しすぎて、別れるなんて
絶対にできないこと。
自分が変わるから
許してほしいこと。
毎日たくさん書いていた。
元くんの誕生日まで
あと30分を切っていた。
彼はこの3日間
夜中の2時くらいまで
駐車場で待機していたようだった。
さすがに誕生日まで
このままは可哀想かな…
百合子ちゃんは
そう思ってしまった。
私はこれが恋愛の
なんとも
難しいところだと思う。
客観的に友人としてみれば
束縛の部分を聞けば聞くほど
そんな男とは
早く別れたらいいのに
と、簡単に言える。
けれど自分がその立場にいたら
100%完璧な人など
いるはずもなく、
自分だってそうではないし
これまで完璧を求めすぎたから
結婚しないまま
年齢を重ねてしまった…
なんて考え始めてしまって
ある程度の
妥協や我慢もしないと
結局自分はこの先も
一生1人なんじゃないかなって
そう思ってしまうのかもしれない。
何より好きの気持ちが強い時の
恋愛中は
誰もが洗脳状態なのだと
誰かも言っていたが
本当に、
そうなのかもしれない。
百合子ちゃんはついに
駐車場に行ってしまった。
そこには
憔悴しきった彼がいた。
元くん
「来てくれてありがとう。
もう無理やと思ってた。
だけど連絡してない間に
俺にとって百合子が
どんだけ大事か分かった。
百合子がいなくなるくらいなら
全部自分が我慢して
受け入れることの方が
簡単やと思った。
許してください。
もうあんなこと言わないから。
百合子が今後
友達のところに行きたい時は
行っていいから。」
元くんは泣いていた。
彼のことは、
この束縛の部分を除けば
大好きだと思っている。
彼が本当に
改善してくれると誓うなら
百合子ちゃんは
もう一度、
もう一度だけ最後に
この言葉を信じたいと
思ってしまった。
この3日後、
百合子ちゃんは難病にかかり
緊急入院となった。
本当に本当に、
予期せぬ出来事だった。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン７ 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。