主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせて、素敵な彼氏ができた。
色々あったが、この彼しかいない、と思った矢先…
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。バツイチ子供無し。
マメで一途で最高の人に出会ったと思った矢先
彼の激しい束縛癖が露呈し始めて…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
親友の家に泊まりに行っても
全く心安らげないほど
LINEを送りまくってきた元くん。
百合子ちゃんは
堪忍袋の尾が切れた。
友人の自宅から帰り、
ついに翌日百合子ちゃんは
「もう限界を超えました。
別れます。」
彼に、そう伝えた。
その時、返事はあっさり
元くん
「分かった。
百合子ことは愛してるけど、
もう無理やな。」
と返ってきたが
百合子ちゃんはその後
本当に何も返信しなかった。
これまで元くんは自分から
「別れよう。」
と言うこともあった。
っていうか、
結構あった。
それは全てこのように
百合子ちゃんが
自分の思い通りにならなかった時。
けれど結局
百合子ちゃんが引き止めなければ
縋り付いてくる。
自分に依存をしてくれていた
これまでの女性たちなら
全て従順に言うことを
聞いてくれていたのだろうけど
そして百合子ちゃんも
なんだかんだ抵抗はしながらも
結局
譲歩をしてくれただろうけれど
もう、無理だった。
が。
皆様お察しの通り
ここで簡単に離れていくような
そんな彼なわけがない。
◆
1週間後
元くん
「ごめん。
やっぱり別れるのは無理や。」
元くんの方から
LINEが入ってきた。
しかし
こうなることはもう
最初から予想出来ていて
百合子ちゃんは
既読スルーをし続けた。
過去の元くんの
別れる別れる詐欺みたいな言動は
百合子ちゃんなりに
彼の愛情確認方法だと
理解するように努めてきた。
別れる気がないくせに、
愛情を確かめるために
別れ話をする。
この行動を百合子ちゃんは
これまで何度も何度も
彼が子供の頃、
親に捨てられたトラウマから
来るものだと言い聞かせ
面倒くさいなと思いながらも
百合子ちゃん
「(別れたい)って言葉は
本当に覚悟を持った時にだけ
言うもんなんだよ。
じゃないと相手は傷つくから。
私の気持ちを
確かめるための手段で
言うのはやめてほしい。」
と話し、諭してきた。
でも今回は
彼の別れる別れる詐欺ではなく
百合子ちゃんの意思。
見知らぬ相手からのナンパでも
男友達のことでもない。
親友の家族と会うことの
制限をかけられたこと
親友の夫を
「男」と連呼したこと。
そのどれも許せなかった。
元くん
「ごめん、本当に悪かった。
許してほしい。」
「許してもらえるまで
駐車場で待ってるから。」
それから元くんは
このLINEの謝罪攻撃と
百合子ちゃんの
マンション近くの駐車場で
夜な夜な待機する行為が
3日間続いた。
ーーーーーーーーーーー
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。