主人公…百合子ちゃん 37歳
私が20代の時に知り合った2歳年上の先輩。
高学歴で一流企業に勤める。見た目はとても可愛く歴女。
この度婚活をスタートさせた。
彼…元くん 37歳 婚活アプリで知り合った。
身長178㎝のイケメン関西人。バツイチ子供無し。
マメで一途で最高の人に出会ったと思った矢先
彼の激しい束縛癖が露呈し始めて…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんだかんだあっても
百合子ちゃんはやっぱり
元くんと
一緒になりたい気持ちが
とても強かった。
誕生日に指輪を買ってくれて
いよいよプロポーズかと
期待していたのに
結局、
プロポーズしてくれなかった。
百合子ちゃんは悲しさと
戸惑いを隠せず
どうして
プロポーズしてくれなかったのか
直接彼に聞いた。
元くん
「俺には
お前しかおらん。
だから絶対結婚する。
だけど、今回はごめん。
ちょっとまだ
俺の準備ができてない。」
毎日むしろ彼の方が
結婚に前のめりだったので
その言葉に
百合子ちゃんは驚いた。
百合子ちゃん
「準備ができてないって
一体どういう意味…?」
元くん
「…そうやなぁ…
今まで…
おかんとちゃんと
向き合って来なかったからな。
まずはおかんとの
わだかまり解消せなあかん…。
そうじゃないと
今はおかんからも弟からも
結婚の許可が下りる気がせぇへん…
それからその前に
百合子のご両親にも会いたい。
ちゃんとしたいねん。」
百合子ちゃん
「それは…
そうかもしれないけど…」
元くん
「分かってな。
1回目のことがあるから
やっぱり2回目は
自分だけのことやなくて
ちゃんとしたいねん。
絶対に幸せにするから。
俺、自分から
結婚したいと思ったのは、
百合子が初めてや。
だからプロポーズは
自分のタイミングで言いたい。
っていうか…あぁ…」
百合子ちゃん
「何?」
元くん
「なんならこんな
誕生日なんてベタな日に
俺はプロポーズせぇへんからな。
もうシチュエーションとか
ちゃんと考えてるからな。
って、こんなこと言ったら
面白ないやん。」
その顔は優しく、真剣だった。
ここまで言われてしまっては
もう、
信じて待つしかないと思った。
百合子ちゃん
「分かった。
そしたらお母さんと
ちゃんと向き合ってね。
お母さんだって、
ちゃんと話してないだけで、
もしかしたら息子の方から
本気でまた
結婚したい相手ができた!
って言われたら
喜んでくれるかもしれないし。」
元くん
「そうやな。
俺、1月に
ばあちゃんの一周忌があって、
1泊で帰るつもりやから、
その時にちゃんと話してくる。
ほんまに好きな人が
できたんやって。
結婚したいと思ってるからって。」
百合子ちゃん
「分かった。
じゃあまず
元くんが一人でお母さんと
ちゃんと話して来て。
私はいつでもご挨拶に行けるからね。
来年は一歩ずつ
前に進んで行こうね!」
元くん
「うん。もちろんや!
俺かて早く一緒になりたいし。
頑張るわ!」
百合子ちゃんはこの年
プロポーズがなかったことは
少し残念ではあったけれど
それでも
お気に入りの指輪ももらえて
未来に向けてたくさんの言葉を
真剣に伝えてくれたことは
とても幸せだと思えた。
そして、
その幸せな気持ちのまま
年末年始の年越しは2人で
国内旅行に出かけたりもして
楽しい思い出が増えた。
◆
その楽しかった旅行から
1週間後
彼は、実家に帰った。
ーーーーーーーーーーー
いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。