このお話は、登場人物の名前や年齢
関係性や時系列など、
実際とはあえて異なる部分があります。
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妾のことして生まれた
紗子さんのお父さん。
資産家だった祖父が残した
遺産でお金には困らなかったが
そのお父さんの生き方は
女性に依存し、
子供を束縛し、
それでも根底にある
寂しさは埋まらなかった。
紗子さんも言う。
紗子さん
「精神面の弱さ
異常なほどの寂しがり屋気質が
その選択肢を選びました。
私が泣けたのは、
父を失った悲しみというより
悔しさに近い感情でした。」
私
「父親に対する
悔しさですか?」
紗子さん
「…両親にですね。
なんてことを
押し付けてくれたんだ!
っていうのが
正直な気持ちです。
母親は葬儀の日に
私に様々な手続きを押し付けて
飲みに行きましたからね。
未だそこは
根に持っています。」
私
「でも確かお母さんは、
お父さんと
共依存だったはずですよね。
それなら突然夫を失って
立ち上がれないほどの
ショックを受けるのでは…」
紗子さん
「通常なら、
そうなのかもしれません。
ただ父は私が知る限り
幾度かの不倫をしており、
その事で両親が喧嘩しているのも
何度も見てきました。
亡くなる直前にも母が
お父さんに女がいる
と私に
言ってきた事もありました。」
私
「実際それは
そうだったんですか?」
紗子さん
「はい、亡くなった後
私名義の携帯だったので
解約等手続きの為に
携帯を回収し中を見たら
女とのメールがありました。
他愛のないメール一通のみが
残っていた事と
名前が苗字っぽかった事から
隠しながら
やり取りをしていたんでしょう。
自死による
ありとあらゆる手続きをしながら
「メール使えたんだ。
っていうか消したりなんて
隠蔽作業まで出来てたんだね」
なんて他人事のような
冷ややかな気持ちになりました。
全てをひっくるめて
私って、何をしてるんだろう。
「悲しいより虚しい」
って感じました。」
私は紗子さんの話を
遮る言葉もなかった。
紗子さん
「私、小さい頃は
県外に住む母方の
祖父母に預けられていたんです。
両親ともに毒親ではありましたが
母方祖父母が私に
たくさんの愛情をくれました。
だから私、
必ずしも愛情を与える人間として
両親揃わなければならない
とは思いません。
強がりなのかも知れませんが、
そう思っています。
だから世の中の
不倫問題や
モラハラDVなどの争いのなか
それでも別れられない
親たちを見ると
別れない理由を
子供のせいにするな
と、怒りさえ湧いてきます。」
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」
シーズン7 春菜ちゃんの芝生『婚活アプリで結婚相手は見つかるか』
シーズン8 青木の芝生 男友達の告白。