このお話は、登場人物の名前や年齢
関係性や時系列など、
実際とはあえて異なる部分があります。
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紗子さんの話は
聞けば聞くほどどんどん
詳細な情報が出てくるが
私は初めて
耳にすることばかりだったり
紗子さんがあまりにも
人ごとのように話すので
益々現実感があまり湧かず
でもこれは実際の
紗子さんの体験記。
紗子さん
「相続の件では
本当に手続きが多い日々でしたから
父が亡くなって、
しばらく泣く暇がなかった理由は
まずはそこだと思います。
まぁそんなこんながあって
司法書士の先生の力を借りながら
父の戸籍を一個ずつ辿り遡り
姉を見つけました。
おかげで私、相続にとても
詳しくなりましたよ(苦笑)」
私
「あ…では私に
何かあったときはぜひ相談に・・」
紗子さん
「どうぞ(笑)
って、この件について
人様に話す時は私、
普段はかなり
端折ってしまうんですが
中学時代に母から
「あんた姉さんいるよ」
という話だけ聞いたときに
姉の名前から前妻のことから
全て詳細に教えられています。」
私はこの時紗子さんの性格が
こうしてこのエピソードを
(人様に話せる)
ような方で良かったと
なんとなく思っていた。
勿論それがいい悪いでもなく
これが紗子さん式の
向き合い方ではあると思うが
実際世の中には
自分の家族のことを誰にも話せず
1人で抱え込んでいる人も
たくさんいらっしゃるのだと思うと
誰かに話すということは
一種の浄化作用にも
なるのではないかと考えてしまう。
私
「それにしても中学時代に
実の母親からそんな話聞いたら
どんな気持ちになるんですか・・
私には
想像つかないんですが…」
紗子さん
「うーん・・
エピソードが多すぎて
当時実感は皆無でしたよ。
だから父が亡くなった後
(あたし腹違いの姉いたんだわ〜。
たまたま
良い関係になれたけどね)
って周りに言ってました。
でも実際はこの後の
中学時代の真ん中の記憶が
ポッカリ抜けてるんですよ。」
私
「それってやっぱり・・」
紗子さん
「人間の防御機能なんでしょうかね。
記憶力の悪さとばかり
思ってましたよ。」
私
「そうですか・・
人の脳って衝撃が大きいと
そんな風になるんですね・・
それで先ほど
その腹違いのお姉さんと
良い関係にとおっしゃってましたが
…の前に、そのお姉さんは
紗子さんの存在を
知ってたんですか?」
紗子さん
「あぁ・・
知らなかったんです。」
私
「え。」
紗子さん
「はい・・
だからある日突然
妹だという女から連絡が来て
心底驚いたと思いますよ。」
私
「それは相当な
衝撃だったでしょうね。」
紗子さんは
コックリと頷いた。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」