このお話は、登場人物の名前や年齢
関係性や時系列など、
実際とはあえて異なる部分があります。
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ある地方議員が、
癒着先の職場で出会った
若い女性との不倫話は
瞬く間に社内に広がっていった。
そしてそのことを
社長が問いただしたら
不倫議員は
「起業するからやめる!」
と息巻いて
本当にあっという間に会社を辞めた。
◆
紗子さんが心配だったのは
この話が風の噂や
その議員をよく思っていない
別の政党の議員から
どこかの記事にリークされ
変な形で、
奥さんやお子さんの耳に
入ってしまうことだった。
私
「それで…
紗子さんは不倫議員の
奥様とはお知り合いですか?」
紗子さん
「はい、仲の良い友人
というほどではありませんが
奥様とも見知った関係性で
お子さんのことも知ってます・・
共通の知り合いは
かなり多いんですよ。」
私
「それは…
複雑な思いですね…」
紗子さん
「そうなんですよ…
私も基本的には
人様の不倫に
口出しすべきではない
という考えがあるので、
全く知らない人の話だったら
良くも悪くも
傍観者の立場を
貫いてたと思うんですけど…
いつどんな形で
ご家族の耳に入るのか・・
すごく冷や冷やしていて…」
私
「…耳に入る前にせめて
その市議に
不倫を辞めさせたい
というお考えですか?」
紗子さん
「出来ることなら。
例え奥様と
直接の知り合いではなかったとしても
そう思ったかもしれません。
なんだかもう・・
その市議の振る舞いが
あまりにも身勝手すぎて…
市議という公的立場にある人が
道義的に如何なものかという
そんな思いも湧いています。
だってそんな人たちに、
私たちは
税金払ってるんですよ。」
私
「なるほど・・」
紗子さん
「でも・・
不倫を社長に指摘されて
タンカを切った男です。
奥さんにでもバレない限り
世間は誰も困らないといえば
確かにその通りなので・・
悪いこととも何にも感じてない男が
今の不倫を辞めるはずなど
絶対にないですよね・・」
私
「そう、でしょうね。」
紗子さん
「パンダさん・・・
私は、人にはその人それぞれの
正義があるって思います。
そして私の正義は
公職たるもの(特に議員)は
清廉潔白でないと
なるべきで無い。
他者を攻撃するからには
己は後ろ暗さがあるべきでない。
そう思うんです。
だからそんな議員が
自分の市を守る
現職の議員でい続ける事に
疑問を抱いていて
自分の正義と
葛藤してるんですよ・・・」
つまり・・
私
「今回の
紗子さんのご相談というのは
この話を
・今まで通り
黙って見過ごすべきか
・いつか誰かから耳にする前に
奥さんに自分で話すか
・記者にリークするか
ということなのでしょうか?」
私は、単刀直入に聞いた。
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いつも読んで下さってありがとうございます。
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」