奥さんの想いを全て聞いて

青木はぐうの音も出なかった。

 


 

青木

「…それで…

 

 俺と離婚したいっていう気持ちは

 もう揺るがないのか?」

 

 

 


奥さん

「そうだね。もう、

 ずっと考えてたことだったから…」 

 

 

 


青木

「俺が言えることじゃないんだけど

 

 …もっとこうやって2人で

 向き合って

 本音を聞けば良かったな・・・

 

 そしたらこんな・・」

 

 

 

奥さん

「どうだろうね…

 

 …多分、変わらないと思うよ。

 

 

 だけどあなたは

 私なんかがいなくても

 すぐに新しい人が見つかるでしょ。

 

 悔しいけどあなたはずっと

 女性が途絶えない人だと思う。」

 

 


そうなんだろうね。

 

でも私は思うよ。

 

 

これまでもこの先も

奥さんほど青木をわかって

愛してくれた人は

いないんだろうなって。

 

 


 

奥さん

「だからなんか・・

 

 そういう意地みたいな気持ちで

 このまま離婚しないことも

 ちょっと考えた。

 

 私はこんなに苦しいのに

 あなたは別れたらあっさり

 新しい女のところに行きそうで

 

 なんかそれは嫌で・・

 

 それなら

 離婚なんかしてあげない、

 みたいな気持ちだったりね。」

 

 

 


青木

「そんな…



 君以外に

 結婚したいと思えるような 

 そんな女性はそうそういない。

 

 これだけは言い切れる。」

 

 


 

奥さん

「それは言葉を変えると

 こんな自由な自分の生活を

 許してくれる人なんて 

 なかなかいないってことでしょ。」

 

 

  


青木

「そんなつもりじゃ…」

 

 

 

 

奥さん

「あなたが好きなのは

 自分自身。


 そんな人と心で繋がろうとして

 一人もがいていたのは私。


 


 そんな自分が悔しくて。



 あとは

 子供のためとかお金のことで

 なかなか踏み切れなかった。

 

 心がしんどいのと

 経済的にしんどいのと

 どっちが辛いだろうって

 いつも考えてたから。

 

 それでそれは

 どっちもしんどいんだけど、

 

 やっぱり心が辛い方が

 私には寂しい人生に思えたの。」

 

 

 

奥さんはここまでの会話で

一度も青木に

お金の話をしていない。

 

これだけ不貞をした男になら

そして青木の経済力さえあれば

どれだけでも言えばいいのに。

 

 

 

 

青木

「子供たちは・・

 

 子供たちにはもう何か

 言ってあるのか?」

 

 

 

奥さん

「まだ何も話してない。

 

 だからその伝え方のタイミングは

 今すごく考えてる。

 

 まずは別居から、

 徐々に慣らしていこうかなとかね。」

 

 

 

青木

「…それなら…

 

 今の家に、3人は住んでくれ。

 

 …別居ということなら、

 一旦俺が出ていくから…」

 

 

 

 

青木は観念した。

 

 

というより

そうせざるを得なかった。

 

 

 

 


 


 


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これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」

シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」