奥さんから
勘だけど、浮気をしているなら
離婚をしたいと言われ
慌てふためいた青木。
いや、もう今更慌てるなよ。
奥さん
「もちろん、話し合いはするわよ。
話し合いたいと思ってたから。
だから・・
じゃあ、あなたから話して。」
青木
「あなたから、って…
離婚をしたいなんて
俺は思ってないから
何から話したら…」
奥さん
「何からってそれは、
あなたが日頃思っていたことを
話したらいいと思うけど。」
青木はなんだか
不思議な違和感が拭えない。
浮気をしてきたのは自分だけれど
前から気づいていたとしても
あまりにも突然だった。
それに奥さんの口調が
今までとは違って
まるで他人のようだ。
もしかしてもう奥さんは
かなり前からこの日のために
入念な準備をしていたのだろうか。
青木
「話したらいいと思うけどって
なんか急に…俺と早く
離婚したくて仕方ないような
そんな感じに聞こえるな…
…もし俺が身の潔白を証明できたら
離婚はしないのか？」
そんなこと、
出来もしないのに聞いてみたのだ。
奥さん
「身の潔白なんてありえるの？
どっちにしろ離婚は、
したいと思ってる。」
青木
「それで・・・
例えば離婚したとして
子供達は、どうなるんだ？」
なんだか、滑稽な発言だと思う。
青木は自分が不倫している間
子供たちのこと、考えてたというの？
離婚となるとこうやって
突然子供のことを考えた風な
そんな口調になる男は
少なくないのではないか。
奥さん
「勿論私が育てるわよ。
あなたは自由になれるのよ。
好きな時に、好きな恋愛が
出来て嬉しいじゃない。」
青木
「自由にって・・・
俺は・・子供たちもそうだけど
お前とも離れたくない。」
奥さん
「あなたは口がうまいからね。
その発言がもう
本当かどうかわからなくなったの。」
青木
「…ひとまず時間をくれ。
話し合う前に。。考えたいんだ。」
奥さん
「話し合いもせず
1人で何を考えるっていうの？」
青木
「そうだよな・・
でも、ごめん。1日欲しい。」
奥さん
「まぁ、1日くらいいいけど・・」
青木
「すまない・・」
奥さん
「じゃあ今日は
私は1人で、ここで寝るから。
あなたは寝室使って。」
青木
「いや、それなら俺がここで・・」
奥さん
「私はまだキッチンで
片付けたりしたいから。」
そんなラリーをしたが
実際には青木は
細かいところまで覚えていなかった。
それは
そこから２時間後のこと。
◆
青木は私のブログを読み
コメントだけではなく
他の方のブログも
ひたすら読んでいたそうだが
そんな中で、
やっぱり奥さんに
本当のことを今
打ち明けるべきなんじゃないか
そう思い直した。
今からリビングに行ったとしても
あれから２時間も経っている。
もう深夜0時になろうとしている今
流石に寝ただろうか。
起きていたとして、こんな時間から
青木の不倫の話を聞かされて
もしそれが初耳だったなら
奥さんは朝までどころか
この先安眠して眠れる日など
しばらく来ない。
さすがに今からはダメか・・
そう思ったはずなのに
なぜか青木は、
寝室の扉をゆっくりと開け
リビングに灯りがついていないかを
確認した。
奥さん
「うん・・・うん・・そう」
あれ・・・
リビングから
奥さんの話し声が聞こえた。
誰かと話してる？電話？
青木は条件反射で
音を一切立てぬようにして
聞き耳を立てていた。
奥さん
「大丈夫。多分絶対に浮気してる。
うん、そうだね。
早く会いたいね。」
今、
頭を殴られたようなショックを受けたのは
奥さんではなく
青木の方だった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６ みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」