奥さんから
隠していることはないか
と聞かれ、焦った青木。
このときは頭が真っ白になり
これまでに考えていたセリフも
コメントで頂いていたアドバイスも
咄嗟には何にも思い浮かばなかった。
ただこの時思ったのは
今もし全て暴露したとして
奥さんが聞きたかったことと
完全に違う話だったなら
奥さんがそれで
強い衝撃とショックを受けたなら
一体どうなってしまうのか。
情けない青木は
それが怖くなってしまった。
青木
「今自分では、一体何のことか
思いつかないから
何かあるなら
具体的に教えて欲しい。
別に隠すつもりとかはないから。」
青木、今が思いっきり
隠している状態なのだけど、わかる?
奥さん
「本当に思いつかないの?」
青木
「思いつかない。」
言い切るのが
得策だと思ったそうだ。
奥さん
「…そうなの。じゃあ、言います。
あなた、浮気してるでしょ?」
きた、やっぱりこの話。
青木
「どうしてそんなこと思うの?」
青木、まだ隠すの?
奥さん
「…勘。」
青木
「勘…って…。そんな、
なんで急に今日、
そんなこと言い出すの?」
突然青木は何故か
不思議に思った。
昔奥さんから
浮気を責められた時と
奥さんの様子が明らかに違う。
取り乱しも、怒りもしない。
責めたりもしない。
まだ確証がないから?
気持ちが冷めてるからか?
青木
「…なぁ、なんか
様子がおかしいよ。
なんかあったのか?」
なんかあったのは
青木だと思うけど。
奥さん
「話を逸らさないでよ。
私はあなたが浮気をしたかどうか
聞いてるんだから」
青木
「いや…してないけど…」
してないっていうのか!
青木
「ただもし、
今俺が浮気してたとしたら
どうしたかったの?」
奥さん
「その時は、あなたと
離婚したいの。」
青木
「え?
待って…離婚?」
青木にとっては
青天の霹靂だった。
まだ何も話し合っていないのに
突然の、奥さんからの
離婚宣言。
奥さん
「そう、離婚。
だから浮気でもしてくれてた方が
離婚後にあなたが
淋しくないかなと思ったんだけど・・・」
青木
「いや、ちょっと待ってよ。
急にどういうこと?
じゃあ俺が浮気していても
そうじゃなかったとしても
離婚したかったってこと?」
奥さん
「そうじゃなくてもって・・
あなたは多分、
過去もこの先も、浮気はするでしょ?
例え時々途切れたとしても
家族一筋に
生きて行けるわけがないのよ。」
青木
「どういうことだよ、
急すぎるだろう?
お願いだから、話し合おう。」
奥さん
「もちろん、話し合いはするわよ。
話し合いたいと思ってた。
だから、
じゃあ、あなたから話して。」
青木。
これは一体、どういうことだと思う?
頭を殴られたような衝撃を受けたのは
どうやら青木の方だったようだ。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」