登場人物 春菜ちゃん・・34歳
絶賛婚活中で、婚活アプリ初心者です。
スペックの高い方を求めてしまう病で、
自分でもこじらせている自覚ありだそうですが
共感してくださる方がいらっしゃったら幸いです。
春菜ちゃんの婚活は、成功したのでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
東大さんとの初めてのデートは
薄暗いオシャレ居酒屋で
横並びの半個室。
というわけで、
向かい側は壁。
(歌のタイトルみたいね。)
…よく考えたら
壁感がリアルにならないように、
薄暗いのかな。
東大さん
「横並びですみません。
向かい合うのが
最初は恥ずかしいので…」
なるほど。
そういう意味か。
…でも、恥ずかしいにしては
少し近いような…
春菜ちゃん
「それで東大さんって
どんなお仕事されてるんですか?」
東大さん
「うーん、
なんと表現したらいいでしょうね。
大きなカテゴリーで言うと
広告関係でしょうか。」
それから東大さんは
仕事のことを詳しく話してくれたが
難しい用語が沢山出てきて
ちんぷんかんぷんだった。
春菜ちゃん
「なるほど…」
東大さん
「あ、つまらないですよね!
すいません。
春菜さんはどんなお仕事を
されてるんですか?」
そんなやりとりをしていたら
まずはサラダやカルパッチョが届いた。
東大さん
「あ、取り分けますよ!!」
春菜ちゃん
「えっ、ありがとうございます!」
率先して、料理を取り分けてくれる。
高学歴で気が利いて優しいなんて、
申し分ないような。
東大さん
「よし、じゃあ食べましょう。」
春菜ちゃん
「そうですね!美味しそうですね!」
東大さん
「はい、じゃあ春菜さん
アーン。」
へ?
お腹ペコペコで
さぁ、最初の一口!
と思っていたらここでまさかの、
あ、まさかの
アーン。
東大さんは春菜ちゃんに
食べさせようとしている。
なんで?
なんで急に?
でもなんだか、この雰囲気を
崩してはいけない気がして
春菜ちゃん
「あ…あーん。」
口を開けると東大さんは
まぁまぁな量のサラダを
春菜ちゃんの口にin。
東大さん
「美味しいですか?」
春菜ちゃん
「お、おいひいです。」
もぐもぐしている最中に
話しかけるなよ、とは言えない。
東大さん
「可愛い!春菜さんって
可愛いですね!」
春菜ちゃん
「ありがとう…ございます。」
と同時に、
なんか待っている。
東大さんが。
明らかにアーン待ち。
ねぇ奥さん。
このアーンのやり取り
心底好きな方っているのですか。
初対面の30代男女が
このラリーをして
本格的に嬉しいと思えるのですか。
春菜ちゃんは
心で誰かに問いかけていた。
春菜ちゃん
「はい、東大さん
アーン。」
東大さん
「あーーーん」
いた。ここに。
心底楽しそうな30代が。
さぁ、じゃあそろそろ
お腹も空いているので
好きに食べさせ…
東大さん
「はい、じゃあ春菜さん
次はカルパッチョを・・」
やめい!
とは言えず、
なんとここから5回ほど
このラリーを繰り返した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン6 みどりさん親子の芝生 「父親の不倫を見つけました。」