シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。
若林夫・・・ヒロミの夫。
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タケシに急に別れを切り出されて
納得のいかないヒロミ。
ヒロミ
「何?もしかして
頭のおかしい奥さんに
何か言われたの?
やだ、絶対そうだ!!
そうじゃないとこんなこと
絶対におかしい!!
ねぇ、そうなんでしょ?
それなら私が、
守ってあげるから!!」
頭のおかしい?
みどりさんは黙ったまま、
タケシを睨みつけた。
タケシ
「頭のおかしいってどういうことだよ。
そんなこと一度も
話したことないじゃないか。」
ヒロミ
「ちょっと精神的に弱ってるって
言ってたじゃない!
ってことは、頭がおかしいんでしょ?
だからあなたは可哀想になって
面倒みてあげてるだけでしょ?」
この発言、世の中の
心を壊して辛い思いをされている方に
土下座して謝れ。
タケシ
「弱ってるっていう発言が
なんで頭がおかしいになるんだよ。」
ヒロミ
「だって、だからあなたが
しなくてもいい料理とかそういうの
やってあげてるんでしょ。
この前奥さんに偉そうに
あなたが料理作るとか言われて
ほんと腹が立ったわよ。
自分が何にもできないのを
自ら人に話すってさ。」
あぁ、我慢出来ない。
殴ってやりたい。
だけど、みどりさんはそれでも
タケシにちゃんと言わせたかった。
自分が声を上げなくても
タケシがちゃんと別れ話が出来るのか
それを見たかった。
タケシ
「そのことなら、
妻は料理が上手だよ…
俺も好きだからやってるし
手助けしたいって思ったから・・
だから、頭なんて全然
おかしくないし
おかしいのは・・・
俺だったのかもしれない・・・」
タケシはみどりさんの目を見て
そう言った。
ヒロミの発言がおかしいことに
やっと、今更やっと
気付けたのだろうか。
ヒロミ
「だから何よそれ!
絶対になんか怪しい!
急にそんなこと言うはずない!
…もしかしてそこに
奥さんでもいるんじゃないの?
それで脅されてるんでしょ!
いるなら代わってよ!」
みどりさんは、
そのまま代わろうか迷った。
今代わったら、
ほらね、脅されたんでしょ?
って言い兼ねないけれど
何かしら言ってやらないと
気が治らないとも思う。
タケシ
「いや、いないよ。
自分の意思だ。
本当に前から考えてたよ。
よく考えたら
すまないことをしたと思ってる。
弄んだわけじゃないけど
君にも家族にも、
結果的に嘘をついて・・」
ヒロミ
「そんな、信じない!
納得できない!!
うわぁぁぁーーーん」
泣いた。
なんか、引くほど泣いた。
タケシ
「とにかく、ごめんなさい。
別れてください・・・
子供たちのためにも
こんなことがいつか
バレてしまったら大変なことになるし・・」
ヒロミ
「ヒック・・ヒック(←泣いている。)」
だけど、アンポンタン女は
ここで簡単にはいそうですかと、
引き下がる女ではなかった。
ヒロミ
「子供たちの・・・
あぁ、そっか・・・ヒック」
ん?
ヒロミ
「タケシくん、そういうことか・・」
え?
ヒロミ
「もしかしてタケシ君は
子供たちのことを考えて
私のことが
好きだけど
そんなことを言ってくれてるの?」
え?
え?
待って、
よく聞こえない。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」