シーズン６
大地くん・・・シーズン６の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん（葵）・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん（みどりさん）・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん（タケシ）・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。
若林夫・・・ヒロミの夫。
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寝室で、タケシと二人。
さぁ、いよいよだ。
毎日顔を合わせているはずの
自分の夫なのに
みどりさんはなんだか緊張していた。
タケシ
「それで…どんな話？」
みどりさん
「色々あって何から話せばいいか
わからないんだけど…
あなた今、私に
携帯電話見せること出来る？」
タケシ
「え？なんで急に。」
みどりさん
「答えてくれたらいいの。
見せられるかどうか。」
タケシ
「そりゃあ別に・・
隠すことはないけど、
どうしたの？大事な話って？」
と言いながら、
携帯を差し出しはしない。
みどりさん
「葵がね、
あなたのLINEを見たんだって。」
もう、言った。
ど直球で言った。
タケシ
「えっ？葵が？いつ！」
さすがにタケシも
これには慌てふためいた。
みどりさん
「もう何日も前よ。
その時葵が、
あなたが浮気している証拠を見つけて
ものすごく傷ついてるの。
だから、大地も知ってる。
私は知らなかった。
二人がそんな気持ちを抱えて
この数日過ごしてたなんて。
ねえ、これどう思う？」
タケシ
「それは・・誤解だよ。
葵、何を見たんだろうな。
明日ちゃんと話すから、
誤解だって。」
みどりさん
「そう。じゃあ貴方は
私にも子供たちにも
嘘はついてないっていうのね。」
タケシ
「勿論そうだよ。
だって僕は家族が1番大事だから。」
みどりさん
「なんか、全然答えにはなってない。
今聞いてるのは、
家族が大事かどうかの前に
事実として、浮気があるかないかよ。」
タケシ
「…そんなことは…ないよ。」
この期に及んで
まだ嘘がつける男だったのか。
みどりさん
「じゃあ、もし浮気していたら
離婚する覚悟で、
絶対に浮気してないって言えるのね。」
タケシ
「いやもう、お願いだから
そういう怖い言い方やめてよ。
離婚とかさ・・
そんなの嫌だから。」
みどりさん
「だから話逸らさないで。
絶対に浮気してないのね？
離婚をかけて。」
タケシ
「…いや、そりゃあ
食事に行ったりとか
それくらいならあるけど・・・」
みどりさんは
ため息をついた。
自分が愛して家族になった男は
こんなに情けなかったのか。
みどりさん
「ねぇ・・あのさ…
私がそんなことくらいで
こんなに真剣に話すと思う？
子供たちだってバカじゃないわよ。
わかってる？
あなた、子供たちに見られたのよ？」
タケシ
「……それは…一体葵は
どんなことを知ってるの？」
みどりさん
「それは今貴方が自分から
いうべきだと思うけど。違う？」
タケシは、ガックリうな垂れた。
そして、
ぽつぽつと話し始めた。
もっと、
嘘をつきまくると思った。
証拠を出す準備もできていた。
けれどやはり
最初に子供の名前を出したことが
タケシには思った以上に
堪えていたようだ。
タケシ
「…すまない・・
なんて言えばいいか…」
話始める前なのに、
この（すまない）の4文字だけで
ダメージを受けるには十分だった。
みどりさんの目から
ハラハラ涙がこぼれ落ちる。
まだ何も聞いていないけれど
これまでに証拠も抑えていたけれど
タケシが認めたことで
あぁこれは、現実なんだ
夢なんかじゃないんだ
そう思ったら、
呼吸が出来ないほど、
苦しかったのだ。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」