シーズン6

大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。

妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。

お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。

お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。

若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。

若林裕介・・・ヒロミの息子。

若林夫・・・ヒロミの夫。

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みどりさんと私は涙を拭いて

しばらく今夜のことについて

冷静に話し合った。

 

というかここまでくると

作戦なんていらないのだけど。

 

とにかく今日はみどりさんが

タケシと率直に話すべきだと

そう思った。

 

 

みどりさん

「子供たちに聞かせたくないので、

 食事も済ませてから

 寝室で話そうと思います。」

 

 

「そうですね・・ 

 ただ、これまでの経緯を伺っていると

 タケシさんって大事な話のときでも

 グースカ寝ている印象ですが・・」

 

 

 

みどりさん

「確かに・・

 あの人、眠気には1番弱いですから・・

 

 まぁ、だから携帯をこっそり見てても

 全くバレなかったんですけど・・

 

 それでパンダさん・・・

 いろいろ聞いてばかりで

 申し訳ないんですが

 パンダさんなら開口一番

 なんて言いますか?」

 

 

 

「・・お前はアホか。

 

 でしょうかね。」

 

 

 

みどりさんが、ふっと吹き出した。

 

 

 

「まぁ、みどりさんはキャラ的に

 そんなことおっしゃらないと思うので

 (キャラ的ってなんだ)

 

 例えばなんですが・・えぇと・・」

 

 

 

なんて、

結局作戦会議になってしまった。

 

 

 

さぁ、そろそろタケシが帰ってくる時間だ。

 

私はみどりさんに

とにかく勇気を出して全部話してくださいね

と、声をかけて家に帰った。

 

 

 

みどりさんの長い夜が始まる。

 

 

 

 

 

みどりさんはタケシが帰ってくる前に

ヒロミの夫に、今夜のことをLINEで伝えると

リビングに

大地くんと葵ちゃんを呼んだ。

 

 

みどりさん

「2人とも、今まで心配かけてごめんね。

 お母さん2人にも

 ちゃんと話せばよかったと思う。

 

 心配かけたくなくて・・

 そう思ってたけど

 2人だってお母さんを

 心配してくれてたんだよね。」

 

 

 

葵ちゃん

「うん・・だって・・

 

 …だってお母さんのことが…」

 

 

言葉に詰まる葵ちゃんの頭を

みどりさんは撫でた。

 

 

 

みどりさん

「葵、ありがとう。大地もね。

 

 今日ね、お母さんはお父さんと

 ちゃんと話し合おうと思ってるよ。」

 

 

 

大地くん

「ちゃんとって、…どうなるの?」

 

 

2人が不安な顔をした。

 

 

 

みどりさん

「わからない・・・

 

 だけど、話したら2人にも

 きちんとお母さんから報告するから

 今日1日だけではそんなに簡単に

 解決しないかもしれないけど…

 

 だけどちゃんと話すから

 数日かかっても、待っててくれる?」

 

 

 

大地くん

「もちろんだよ。

 俺たちお母さんの味方なんだから。」

 

 

葵ちゃん

「うん。いざとなったら

 お父さんのこと私が懲らしめるから!」

 

 

みどりさん

「ありがとう。

 

 あとね、

 2人がお父さんの携帯を見たこと

 それも全部、話していいかな。」

 

 

葵ちゃん

「もちろんだよ。」

 

 

大地くん

「だって俺たち何も 

 悪い事してないんだから。」

 

 

みどりさん

「うん、そうだよね。」

 

 

もう、この先何が起こったとしても

どんな展開になったとしても

この2人の存在だけで生きて行ける。

 

自分がこの2人を守る。

 

みどりさんはそう思うと

心強かったし、

何より自分自身が、

強くならなきゃと思えた。

 

 

 

それからタケシが帰ってきて

相変わらずいつも通り笑っている。

 

 

 

 

笑っていられるのも今だけだよ。

 

 

 

 

そう思いながら

みどりさんはタケシに声をかけた。

 

 

みどりさん

「ちょっと時間をかけて話したいから

 お風呂も入って、寝る準備も全て

 済ませてきてくれるかな。」

 

 

タケシ

「わかった。大事なことって

 子供たちのことか?」

 

 

みどりさん

「そうね。そんな感じ。」

 

 

どうしてこの男はここまできても

不倫が家族にバレてると

そう考えないのだろう。 

 

 

タケシがバカなの?

男ってバカなの?

 

 

 

そして1時間後、

タケシがビールを2つ持って

寝室にやってきた。

 

 

そして、寝室にあるテーブルに

そのビールを置いた。

 

 

飲んでる場合かよ。

 

 

みどりさんはそう思ったが

勢いも必要かと、

そのビールを一気に体に流し込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

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これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」