シーズン６
大地くん・・・シーズン６の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん（葵）・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん（みどりさん）・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん（タケシ）・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。
若林夫・・・ヒロミの夫。
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週末の家族旅行に
自分は行きたくないと言った
娘の葵ちゃん。
みどりさんは動揺したが
よく考えてみたらそんなこと
当たり前だった。
年頃の女の子が父親の携帯を見てしまい
そこに母親以外の女との
やりとりがあるなんて。。
そんなの気持ち悪い以外、
何者でもないだろう。
みどりさん
「葵が行かないなら、
お母さんもいかないから。」
葵ちゃん
「いいよ、お母さんは平気なんでしょ。
それにお父さんとお母さんは
仲良くいて欲しいから・・」
この時の葵ちゃんの言葉が
みどりさんには結構刺さっていた。
平気なんかではない。
平気なはずはない。
だけど、平気なフリをしていないと
家庭は簡単に崩壊してしまう。
大地くん
「おはよう。」
葵ちゃんが顔を洗いに行ったのと
入れ替わるように大地くんも起きてきた。
みどりさん
「あぁ、おはよう。」
大地くん
「昨日あれから、旅行先決めたの？」
みどり
「うん、お父さん張り切ってたけど・・
さっき葵がね
旅行には行きたくないって。」
大地くん
「え？・・そんな。
いいよ、あとで僕から言っておくから
わがまま言うなよって。」
みどりさん
「いや、いいの。
わがままじゃないよ。
葵の気持ち、わかるから・・」
大地くん
「だけど、旅行にいかないと・・」
大地くんの困り顔が
みどりさんには泣き顔に見えた。
葵ちゃんとはまた違う形で
大地くんは大地くんで
家族で仲良くいたいと
そう願っているのだ。
一体自分たち大人は
何をやっているんだろう。
どうして大人の身勝手で
何一つ悪くない子供たちが
心を痛めたり、気を遣ったり
しなければならないのだろう。
タケシと話すしかない。
みどりさんはそう思った。
このまま月日だけが経過しても
きっと意味などないのだ。
その日みどりさんは
タケシに伝えた。
みどりさん
「今日、大事な話があるから
早く帰ってきてください。」
呑気なタケシは、
笑顔で家を出て行った。
◆
その日、
私は大地くんのレッスンの日だった。
みどりさんからは
少し早めに来られるかと連絡があったが
仕事の都合上どうしても難しく
レッスンが終わった後話すことになった。
今夜のブログはまだ、夜に続く。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」