シーズン6
大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。
妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。
お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。
若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。
若林裕介・・・ヒロミの息子。
若林夫・・・ヒロミの夫。
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妻であるみどりさんに
離婚したいと思ったことなど
ないと言い切ったタケシ。
しかし過去のヒロミとのLINEでは
離婚をほのめかしていたというのに
本当に調子のいい男だ。
みどりさん
「そうなんだ・・じゃあさ。
私から離婚したい、って言ったら
あなた、どうする?」
この質問にはタケシも
一瞬固まった。
タケシ
「え・・いや、そんな。
そんなこと、ないとは思ってるけど
言われたら・・
どうするんだろうな・・
考えたこともなかったけど
どうやっても回避したいって思うよ。」
考えたこともなかった。
だそうです。
そうね。
不倫している人たちの多くに
こういうことを言う奴がいる。
自分の行いはバレない。
バレたとしても、
自分の愛する人は、
きっと自分を見捨てない。
裏切らないと。
だから、自分は何をしても良いと?
みどりさん
「そっか、
考えたこともなかったんだ・・」
タケシ
「え?みどりは考えたことあったの?
やめてよ・・怖いなぁ。
他の人たちがどうあれ
俺たちは仲のいい家族だろう?」
みどりさん
「私はそう思っているけど
会社の人の事情を聞きながら
なんかすごくショックでね。
私だったらその状況、
どうするだろうって
ぼんやり考えてしまって。
仮にもしもあなたが
家族を裏切ったり、
嘘つくようなことがあったら
やっぱり私はあなたを
心から許せないんだと思う。」
タケシ
「そうだよな。
そりゃそうだ、うん。
週末みんなが楽しめるように
明日しっかり計画立てるよ。」
みどりさんのこの言葉が
タケシには響いただろうか。
それからタケシはまた
相変わらずすぐに
寝息を立てて寝始めた。
どうしてこの男は
こうやってすぐに眠れるのだろうか。
きっとヒロミにだって
色々責め立てられたはずなのに。
合間にみどりさんから
そんな問いかけのLINEが
私に入ってきたが
私
「そういえば私も過去に
喧嘩した彼氏が、
話し合いが終わっていない時でも
ぐーぐー寝て、
ムカついたことがありますね。」
なんて返事を返した。
それから1時間以上経過しても
みどりさんは全く眠れなかった。
けれどその間ヒロミのご主人は
ひたすらヒロミとタケシのLINEを読んで
もっと眠れない夜を過ごしていた。
深夜1時を過ぎて
ヒロミの夫からみどりさんに
LINEが届いた。
ヒロミの夫
「過去のLINEのやりとりが多すぎて
どこまで遡ればいいか
全然わからなかったので
ひとまず今日の部分を
一旦お伝えします。」
みどりさん
「わかりました・・
ありがとうございます・・
見るの、怖いですね・・」
ヒロミの夫
「いや……
過去の文章を遡っても感じるのは
ご主人はきっとうちの妻に
本気ではないです…
本気で訳がわからないのは
・・うちの妻の方だと思います…」
それからヒロミの夫は
みどりさんに
今日のスクリーンショットを送ってきた。
みどりさんはその内容を読んで
心底ヒロミに敵意が湧いた。
そしてこんな内容を
深夜にたった1人で
スクリーンショットしていた
ヒロミのご主人の姿を想像して
本当に苦しくなった。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン2 武田さんの芝生
シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」