シーズン6

大地くん・・・シーズン6の主人公。高校2年生の男の子。これからの出来事を、長男として必死に受け止めてゆく姿を書いてゆきたいと思います。

妹ちゃん(葵)・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。

お母さん(みどりさん)・・大地くんのお母さん。40代半ば。息子に楽器を教えてくれる人を探しているというみどりさんとは、知り合いの伝手で繋がりました。

お父さん(タケシ)・・・大地くんと妹ちゃんの父。不倫相手のヒロミには、タケシくんと呼ばれている。

若林ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。大地くんの友達である裕介くんの母。

若林裕介・・・ヒロミの息子。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 
ヒロミのご主人に電話したのは
その日の午後
 
しかしその後夜まで
私は仕事がめちゃんこ忙しくなり
携帯電話を気にする暇がなかった。
 
 
 
21時ごろになり、
携帯を確認する。
 
 
夕方にみどりさんからと
大地くんからのLINEが
1件ずつ入っていた。
 
 
 
みどりさん
「今日はまだ、
 何も起きていません。」
 
 
 
それはそうか。
 
ヒロミの夫と
ヒロミに一悶着あったところで
それがすぐに
みどりさんの耳に届くわけがないか。
 
 
 
しかしそれから1時間後
 
 
みどりさん
「さっき夫が帰ってきて
 
 (今日、なんか変な電話が
  かかってこなかったか?)
 
 って聞かれました。
 
 これって、警戒してますよね。
 ヒロミから連絡があった
 証拠ですよね。」
 
 
 
「ってことはヒロミのご主人が
 ヒロミに何かを聞いたことは
 確かですね。」
 
 
 
みどりさん
「そうですね。
 
 ひとまず私は今日仕事だったので
 何にも知らないと言ったら
 
 ちょっとホッとしたような
 表情に見えましたけどね。」
 
 
 
 
 
ふむふむ。
 
 
 
ふむふむふむふむ。
 
 
 
 
 
まぁ、
 
まだこの先はノープランだけど
ヒロミの出方によって
考えていかなければならないし
考えなくても
勝手にわーってなるかもしれないし。
 
 
 
みどりさん
「大地には、お父さんの出張
 (っていうか旅行)
 
 ひとまず無くなったよって話したら
 (よっしゃ)ってガッツポーズしてて
 なんか切なくなりました。
 
 子供達にはこれから
 状況見て話したいですが今の時点では
 何をどう話すべきか…
 
 また夜になったら
 夫の携帯を確認してみます。」
 
 
 
そして
 
そんなみどりさんのLINEの前に
 
 
 
大地くん
「お父さんの旅行、
 取りやめになったみたいです。
 
 お母さんには
 あまり深く聞いてないですけど
 もしかしたらお父さんも一応、
 反省したんですかね。
 
 勿論これだけじゃあ
 許せないんですけど・・」
 
 
 
と、連絡が来ていた。
 
 
 
反省してないよ。
 
 
延期になっただけだよ。
 
 
残念だけど
お父さんは最低男だったよ。
 
 
 
 
なんて言えるはずもない。
 
 
許せないとはいうけれど
大地くんはきっと
お父さんを信じたいのだ。
 
 
やはり
ヒロミもタケシも許せない。
 
 
 
 
 
その夜、しばらくタケシが
携帯をいじっていたのを見届けてから
その途中で、みどりさんはタケシに
色々と話しかけた。
 
ここからヒロミとLINEが出来ないように。
 
そしてその間に
ヒロミから入ってきたLINEが
消されないように。
 
 
 
みどりさん
「ねぇ、あなたの出張取りやめて
 代わりに誰が行くことになったの?」
 
 
タケシ
「え?あぁ、それは会社が決めるから
 知らないなぁ。」
 
 
みどりさん
「・・そんなに、
 誰でも代わりに行けるような仕事だったの?」
 
 
タケシ
「誰でもってことはないけど・・
 
 なぁ、それよりその日、どこに行く?
 大地と葵に聞いてみようか。」
 
 
 
出た、話を逸らす男。
 
 
不倫旅行の代わりになったその日に
どこかに行きたい気分じゃない。
 
だけどこれで子供たちが喜ぶなら
そしてタケシが、携帯から集中が逸れるなら
それもいいのかもしれない。
 
 
みどりさんは
大地くんと葵ちゃんを呼んだ。
 
葵ちゃんはもう寝ていた。
 
 
 
 
 
ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

これまでのシリーズはこちら。

シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』

シーズン2 武田さんの芝生 

『妊娠発覚。彼氏と思っていた人は既婚者だった。』

シーズン3 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』

シーズン4 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」

シーズン5 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」