シーズン６
大地くん・・・シーズン６の主人公。高校2年生の男の子。私が半年だけ楽器を教えていました。これからの出来事を、長男として必死に受け止めてゆく姿を書いてゆきたいと思います。
妹ちゃん（葵）・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
みどりさん・・大地くんのお母さん。40代半ば。息子に楽器を教えてくれる人を探しているというみどりさんとは、知り合いの伝手で繋がりました。
お父さん・・・大地くんと妹ちゃんの父。ある日娘である妹ちゃんに、携帯にある女性とのやり取りを見られる。本人はまだ知らない。
ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。
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みどり
「大地がパンダさんに
何か話していませんか？」
この質問には意味があるのか
頭をフル回転させてみる。
裏をかいているのか
素直に質問されているのか。
…回転させても無駄か。
考えていても進まないもの。
私
「何か、、と言うのは・・」
必殺、モヤモヤ返し。
みどり
「あ、すいません、こんな・・
いやなんとなくなんですが
この間大地がパンダさんのこと
（学校の先生より
相談しやすいんだよ）
って言ってたので…
って事は反対に何か
相談しなければいけない悩みが
あるのかなって思ってしまって・・」
私
「あぁ、そういうことですか…」
って事はみどりさんは
何か知っているわけではないの？
みどりさん
「いやでも、もし
何か相談されていても
大地はパンダさんに
相談したんだから
私には言えないですよね。
すみません、こんな事・・」
私
「いや、別に、
大地くんの事は大丈夫です。
それより今思ったんですが
・・みどりさん・・
なんかありました？」
みどりさん「え？」
みどりさんは
ものすごく驚いた顔をした。
私
「あ、なんか突然すみません・・
いや、悩んでいらっしゃるのは
実はみどりさんの
方なんじゃないかなって
ちょっと思ってしまって・・」
みどりさん
「…私・・すいません、
そんな顔してましたか？」
私
「あ、いえそんな事ないです。
私には子供がいないので
子育てについては全然
私なんかが伺っても
わからない事だらけなんですが
もし大地くんのことで
みどりさんが悩まれているのなら
私になんかできることがあれば・・」
みどりさん
「いえ、それは
それは・・大地のことでは
…ないんです…
でも・・」
私
「何か、悩みがあるんですね・・
…大地くんじゃないとすると
・・お嬢さんですか？」
今振り返ってもこの時は
私も役者になりきっていたなと思う。
ご主人のことですか？
と一気に畳み掛けたいが
それではなんか不自然すぎる。
遠回しに遠回しに、でも
みどりさんの気持ちに近づきたくて
一つずつ
紐を解いてゆくような時間だった。
みどりさん
「自分で言うのもなんですが・・
子供たちは、
私にはもったいないくらい
素直な子たちに育ってくれたなって
そう思ってます。」
私
「妹さんとはあまり
たくさんお話ししたわけではないですが
確かに2人とも
真っ直ぐで素直なお子さんたちですよね。
でも・・お子さんたちのことじゃない
と言うのは・・」
仕事のことです。
と言われることも想定していた。
しかし、みどりさんは言った。
みどりさん
「パンダさんにこんなお話し・・
本当にお恥ずかしいですが・・
実は主人のことで・・・
誰にも言えなくて・・」
ついにみどりさんから
この言葉が聞けた。
やっぱり、みどりさんも何か
勘付いているんだ。
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これまでのシリーズはこちら。
シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
一体、次の一手はなんだろう。