シーズン1 ミキの芝生 『DVモラハラ夫の不倫』
シーズン２ 武田さんの芝生
シーズン３ 紀子さんの芝生 『夫の不倫相手は、まさかのあの人。』
シーズン４ 琴美ちゃんの芝生 「お笑い芸人の男。」
シーズン５ 読者さんの芝生 「意見を聞かせてください。」
シーズン６
大地くん・・・シーズン６の主人公。高校2年生の男の子。私が半年だけ楽器を教えていました。これからの出来事を、長男として必死に受け止めてゆく姿を書いてゆきたいと思います。
妹ちゃん・・・大地くんの妹。中学2年生。たまたま見た父親の携帯から、浮気を知る。
みどりさん・・大地くんのお母さん。40代半ば。息子に楽器を教えてくれる人を探しているというみどりさんとは、知り合いの伝手で繋がりました。
お父さん・・・大地くんと妹ちゃんの父。ヒロミからはタケシくんと呼ばれている。ある日娘である妹ちゃんに、携帯にある女性とのやり取りを見られる。本人はまだ知らない。
ヒロミ・・・・お父さんの不倫相手。
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大地くんの父親と
不倫相手ヒロミのLINEのラリーは
まだ続いている。
最初は旅行についてのやりとり。
そしてそれからヒロミは
もっと2人で大っぴらに歩きたいと
そんなことを書いていて
つまりヒロミという女は
不倫とわかっていたはじめたこの関係。
ヒロミLINE
「毎日会いたいもん。
こんな生活じゃあいつかヒロミも
他の人のところに行っちゃうよ。」
その後ラリーは続く。
お父さんLINE
「毎日会いたい気持ちは同じだよ。」
ヒロミLINE
「じゃあ旅行の前に
そろそろ奥さん別れてよ。
病気って言うけど
いつまでその崩壊した家庭で
過ごしていくの？」
お父さんLINE
「だからこそ子供たちのこととか
今は任せられないだろう？」
ヒロミLINE
「そりゃあそうだけど・・
早く身軽になってよ。
寂しいよ・・」
この辺りがさっき
大地くんが教えてくれた内容か。
なるほどね。
タケシは（いつの間にか呼び捨て）
こうして奥さんを
精神的な病気に仕立てることで
離婚出来ない理由にして
ヒロミとダラダラ付き合っているわけだ。
こんなこと不倫男の
常套句だとは思わないのだろうか。
そしてヒロミの方も
（身軽になってよ）なんて言うあたり
子供たちを引き取るほどの
そんな覚悟はない。
ただただこの恋愛の続きをしたいだけ。
お父さんLINE
「すまない。我慢させて。
旅行の前は無理だけど
だけどちゃんと考えてるから。」
ヒロミLINE
「ちゃんと考えるって、どんな？」
お父さんLINE
「それは色々だよ。わかるだろ？」
いや、ちっともわからない。
さっぱりわからない。
お父さんLINE
「さすがに今の状況での離婚話しは
あいつがもっと壊れてしまって
そしたらさらにこじれるから
慎重にやらないと・・」
ヒロミLINE
「だから全部わかってるけど・・」
お父さんLINE
「まずは旅行楽しもう！
あと２週間なんだから。」
家族にも不倫相手にも
嘘ばっかりのこの男は、
すぐに話をすり替えている。
ヒロミLINE
「だからどこに行くか
教えてってばー」
こんな感じで、やりとりが途絶えた。
ここでタケシが寝たのだろう。
たった1日でこんなやりとり。
大地くんはどんな気持ちで
この全てを読んでいたのだろう。
「LINEを読んだら返信するね。」
私からそう言ったものの
なんて返せばいいかわからない。
電話を切ってまだわずか
10分くらいしか経過していないが
仮にも大地くんのお父さんについて
最悪だね。
・・そんなこと言って
大地くんがもっと傷ついたりしない？
何か今後の策をアドバイスする。
そんなことして
大地くんの家族が崩壊したら？
いやすでに崩壊している。
わからないけれど私は
とにかく返信することにした。
私
「大地くん。全部読んだよ・・」
寝ているかもしれないと思ったが
大地くんからは、すぐに返信がきた。
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